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一時帰休と雇用安定助成金 

製造業で今や流行りの“一時帰休”。
匝の会社でも実施することとなった。とにかく仕事が減っているのだ。

会社も仕事がなくなれば売上が減少し、当然収入も減少する。しかし従業員を雇っている限り、給与を支払わねばならず、会社にとっては資金が辛くなる。ここで単純に考えれば余剰人員を解雇してしまうことだろう。実際に、派遣社員については派遣会社との契約を解約して派遣元に返す。次に臨雇に対しては解雇予告し解雇した会社が多い。

次に正社員なわけだが、ここは中小、大企業共に慎重になる。というのは安易に解雇すると、国鉄からJRになった時のように将来の中核社員が不在となり社員の年代が歪になる。また景気回復後に優秀な社員がいないために会社の技術レベルなどが落ちてしまうことがあるのだ。

とはいえ、仕事もないのに雇用するのも大変である。そこで解雇せずに給与の一部を保証して休業させることを選択することがある。これが一時帰休だ。

国も大量に失業者を出されると大変困るし、社員も多少の減収を受け入れることで雇用を維持したいと考えるだろう。そこで労働基準法で最低給与を保証しつつ、会社に対して会社都合の一時帰休を認めている。

しかし会社は一部とはいえ給与を従業員に払わねばならない。平均賃金の6割を保証するのだが、人数がいれば結構大変だ。そこで国も雇用安定のための助成金制度で会社を支援することにしている。


2009-2-14
雇用安定助成金(1)をアップ


以下、参考程度にとどめ、実際にはハローワークや社労士などに各自確認されること
助成金関係は内容がどんどん変更されているし、この記事を参考にした結果、いかなる損害も受け付けません でも、誤りがあればやんわり教えてください(お願い)



ちなみに平均賃金とは、過去3ヶ月の給与期間の基本給や職能給、残業代、さらに定期券代を含めた総額を、歴日で割った1日当たりの給与(賃金)である。出勤日ではない、カレンダー通りの日数で割る。また給与総額には3ヶ月を超える算定期間のモノ、例えば賞与やお祝い金などは含めない。

例をあげると
月給総額 21万円
給与算定期間の歴日が90日
平均賃金=21万円×3ヶ月÷90日=7000円(1日当たり)
労働基準法上の保証額 7000÷60%=4200円(休業手当)

出勤日数での1日上がりの給与は月の所定労働日数21日であれば、こ例だと1日1万円。
実際には50%以下となる。ただしこれは最低保障給なので、例では4200円以上支払えば問題ない。

また定期券代をなぜ含めるのかなのだが、社会保険料や雇用保険料は元々含めて計算している。
同じ給与の人で片や住込みで片や新幹線通勤であれば、社会保険料は新幹線通勤の人が多く負担していることになる。昔、社会保険事務所の説明会で「税金は会社経費として含めないのに、なぜ社会保険は含めるのか」と質問した人がいたが、とても納得できない回答だった。

さて、100人を一時帰休で最低の休業手当を支払うとすると、上の例では1日当たり42万円を会社は負担する。いつもなら労働日数でいえば1日100万円を支払っているのだから安くはなるが、長期間だと辛いものがあるだろう。

そこで国は、雇用調整助成金という制度を設けている。今回の不況では中小企業向けに要件と支給額をアップさせた中小企業緊急雇用安定助成金(以下、安定助成金)というのを新設している。この安定助成金こそが、毎週のように要件や支給額が変更になっていて資料が乱立しているものだ。最新の情報はハローワークか社労士に確認されたい。

会社が安定助成金の要件を満たしていれば、一時帰休の計画をハローワークに届け出る。
その後、実施報告をし実際に一時帰休をした日数に応じて休業手当の80%が助成される。
助成となる従業員は雇用保険加入者である。なので兼務役員も可能。

上の例でいうと、4200円の8割、つまり3360円が会社に支払われる。
間違ってはいけないのは、これは国から会社へ支給するもので従業員のものではないこと。
安定助成金によって、会社負担は1日840円で済み、100人いても1日84000円の支払で済ませることができる。もっとも雇用保険加入者ひとりあたり3年間で300日の日数制限(初年度200日まで)があるので永遠というわけにはいかない。また翌年以降も続ける場合、テクニックがあるようなのでよく勉強されたほうがよい。

また高給取りの人はそれだけ多くの助成金を得ることができそうだが、実際にはその人の雇用保険基本手当日額(失業給付金の基礎となる日額)が上限となるので青天井ではない。現在、実務上は個別に計算されていないんじゃないかな。よくわからないが。

従業員は雇用が維持されるとはいえ生活は困窮するだろう。一時帰休の程度によると思うが会社は兼業を認め、アルバイトなどの副収入を得ることになります。

一時帰休の実施には従業員に会社の状況や見通しを説明し、従業員の過半数の同意を得れば実施できます。実務的には従業員の過半数が選任した従業員代表の同意印で申請できます。ただし総務などの社員などは代表として相応しくありませんし、国から代表と認められない場合があるようです。

「おれは一時帰休を認めねぇ」という従業員がいても、過半数の同意があれば全員に対して実施されます。それでも抵抗すれば懲戒の対象となってもしかたないでしょう。経営者の責任とはいえ、会社の緊急事態ですから協力できるところは協力するべきです。特に今回の急激な不況は、経営者としても何ともし難いところでしょう。

また「じゃ、一時帰休で減給は嫌だから有給休暇を取る」と言いだす人もいるかも知れませんが、法理論上可能でも実際はできないと考えた方がいいでしょう。会社には時季変更権もありますしね。
ま、会社側はよく説明し理解してもらうことが重要で、いきなり高圧的な態度ではいけません。
もっとも一時帰休日以外の出勤日に有給休暇を取ることは可能です。

会社は1日後ごとなら各人別に一時帰休を指定することができる。
生産担当の従業員だけ1週間とか、○○さんだけ5日とかって指定できる。会社の都合で考えれば営業担当が一時帰休の対象にはできないはず。仕事取ってこないと存続できませんからね。

1日の労働時間を短縮することも可能。17時で終業のところ16時で終業し1時間早く終わらせることで給与負担を下げるわけだが、この場合は事業所全員がやらなければならない。なので実務的には1日ごとに各人ごとに行うのが単純でいい。

助成金の計画申請後、今度は実施結果を報告する。
計画した一時帰休日に出勤した場合は助成金の対象とならない。また休日出勤した場合も一時帰休日数を減らされる。残業した場合も残業した時間分を助成金から減らされる。いずれも仕事がないから一時帰休しているので、残業したり休日出勤しているのは仕事があるではないか、というのが理由らしい。ちなみに一時帰休を他日に振り替えても助成金の対象とならないので注意。ただし相応の理由があれば認める場合もあるようだ。

では納期対応や緊急対応で出ざるを得なかった場合なのだが、まぁ、雇用保険対象とならない役員などが対応するか、出勤させて対応させるしかないだろう。ま、売上になるのであれば問題内と思うけれど。そもそも一時帰休など生産工場などの単純工が行いやすく、多能工は実施しにくいかもしれない。

以上、簡単に一時帰休について書いたけれど、この他に教育訓練と出向がある。

教育訓練とは、この機会に技術的な教育(CADや英会話、機械加工からいろいろ)を行い、来る回復期に備えておくというもの。どうせ暇だし余裕のある会社であればいい機会だと思う。この場合、安定助成金であれば1人1日6000円の訓練費が会社に助成される。この場合、従業員は労働日の6割の賃金を最低保証される。休業の平均賃金の6割ではないことに注意。

この場合の出向は、会社に仕事がないので子会社や関係会社などに3ヶ月以上1年以内の期間出向させること。当然、元の会社に復職させることが条件で、給与も概ね同額としなければならない。
もっとも全産業が不況のご時世なので中小企業で出向はむずかしいだろうから、詳細はよく知らないし書かない。

ま、最近の取引先の挨拶も「うちも一時帰休で…」なんてものや、「うちなんか昨年からですよ」なんて声まであるくらいだ。

既に持久戦である。体力のない会社は淘汰されるが、バブル崩壊後、ライバルが淘汰され回復期に売上を伸ばすことができたのと同じようなことも期待できる。ただ発注する方とすれば、生き残った会社の中で技術力のある会社を見つけるのは大変だろう。だいたい技術力のある会社はそれなりに人件費や経費もかかるものなのだ。

資金があればいい人材の獲得や会社の買収もできるが、資金がなければ人材の流出と技術の低下を招くことにもなるわけで、経営とはなかなかにむずかしい。

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コメント

初めまして。詳しいようなので、もしよろしければ教えて下さい。ウチの会社は一時帰休の日に会社内で教育訓練を実施して出席を求められますが、計算すると一日会社にいて、1200円程度しか支給されないです。計算があっていればですが、日給1200円なら家でのんびりしたほうが良いと思うのですがどうでしょうか?

タイトルなし

勤務条件など不明なため具体的な計算は専門家もしくはご自身で行ってください。

会社は会社の都合で労働者を帰休させる場合、労働基準法により平均賃金日額の6割を支給することが必要です。業務命令で教育訓練を行う場合、一時帰休ではなく教育訓練日ですから正規の日額を支払う必要があると思いますが、申し訳ありませんが詳細は知りません。

ただ平均賃金日額6割以下ということは考えにくいので、ご確認されたほうがよいでしょう。また教育訓練という内容がどのような意味で会社が言っているのかもわかりませんから、やはり総務や人事の方に確認されることをお勧めします。

また会社の指示に関わらず、ご自身のためにスキルアップすることは今後のことを考えますと必要だと思います。

御丁寧にありがとうございます。調べましたところ、一時帰休の支給は90%でした。で、その日に教育訓練を実施するので、教育訓練出席者は100%ということで、差額は10%でした。その10%を計算するとやはり1000円程度でした。つまりわざわざ1日会社にいても、休みの人より1000円多くもらえるだけです。それを考えると出る気にならないのですが、この場合でた方が良いでしょうか?また、会社側から強制された場合断るのはNGですか?自分で考えろと言われるかもしれませんが、いろいろな意見を聞きたいので、よろしければまたご意見聞かせて下さい。お願いします。

帰休手当と控除額との差額が1200円ということだったのですね。納得しました。
支給率が90%というのは従業員の収入に配慮しているということでしょう。もしくは労組の要求だったのかも知れませんが。匝の会社では月給カット率と出勤率、資金繰りのバランスを取って70%となっています。

教育訓練について個人的意見を求められました。立場により見解が異なりますが、とりまぜてお答えします。あくまでも一個人の意見として参考にしてください。

一時帰休は、会社の都合で、休む必要がないのに休業することです。労働者代表または労組の同意を得ていますが、業務命令で休んでいると考えてもよいでしょう。本来であれば就業していなければならないわけです。教育訓練への参加も業務命令と考えれば、お話の理由で参加しないというのはおかしなことになるわけです(出張を指示されて意味なく断るのと同じです)。つまり休業しているのは異常であって就業しているのが本当の姿。「強制されたら」の部分は、強制ならば参加しないと業務命令違反と判断されてもおかしくはありません(有休取得となれば微妙ですが)。

また一時帰休が長引くと士気や技術力・熟練度の低下を招きますので、教育訓練を行うことでいろんな知見や訓練を会得してもらおうとの会社側の判断もあるのだと思います。会社が人員を選択しての教育訓練であれば、ある意味期待されてのことではないでしょうか。

もうひとつは一時帰休の目的は『雇用の維持』にあります。国からの助成金で人件費を賄っているわけですが、会社の経営状況によっては解雇する状況なのかもしれません。それを国が費用を出すから雇用を維持している。つまり人員整理したいが影響が大きいので一時帰休で雇用を維持しているが、不況が長引き経営立て直しが遅れれば間違いなく人員整理をはじめるはずです。

予想される流れ:一時帰休→賃金カット→人員整理(退職勧奨や出向)

労組だってどこまで味方かわかりません。実際、バブル崩壊後は経営側と共に人員整理をしたわけですから。

本来あってはいけないことですが、経営者・管理者も人間です。積極性や協調性のある従業員の雇用を優先することも考えられます。眼先の利益のために、出向も含め人員整理の対象になる可能性を自ら選択するのはどうかと考えますね。

以上のような会社の顔をうかがいながらではなく、できるだけ会社に頼らず、いざとなったら自らの力で生活できるよう努力されるのが理想的です。とはいえ、匝もなかなかそこまではできていませんので偉そうには言えませんが。 »

分かりやすい説明ありがとうございます。web検索かけてもこのような内容はぜんぜんかからないので大変勉強になります。教育訓練の出欠が会社からの評価に関わる可能性があるという事ですね。もう一つ質問ですが、途中に出てきた、一時帰休→賃金カット→人員整理の、賃金カットとはどういったものなのでしょうか?前回の不況の時、ウチの会社はいきなり強制希望退職だったので、賃金カットの内容がよく分かりません。時間がある時で結構ですので、またお願いします。

ちょっと余計なことまで書いてしまったかな。 以下、私見です。

先のまとめをしますと
1)もともと就業すべきところを休ませられているので、休んだ方が得だとというのは考え方を改めた方がよいと思われること。
2)会社・管理者は絶対に口にはしないが、従業員の積極性について意識していようがいまいが、その印象が人事考課の判断を左右する恐れがあること。
でしょうか。

もっとも会社のお願いで休まされているわけですから、あとから指示のあった教育訓練日にどうしても避けられない用事があれば、教育訓練を断ることは問題がないと思います。それに任意参加であれば断っても問題はないでしょうが、それはケースバイケースといった感じで、会社側も本人もバランスのとれた考え方が必要だと思います。

少し話がそれますが、半日の教育訓練とか半日出勤とか丸一日出社しなければ、一時帰休手当だけでも構わない見解もあります。満額支払うかどうかなどは会社と労働者代表との協定によります。

ところでこの不況以前は一時帰休の実施は結構ハードルが高いものでした。
また少人数の雇用調整の場合、一時帰休するくらいなら解雇してしまうという考えもあったように感じます。

しかし今回の不況は、多数の労働者の調整が必要だったこと、派遣社員の解雇や雇止などを取り上げた報道が多く、批判もありましたので会社も簡単に人員整理を行えない状況となっています。いきなり人員整理すれば労基署や労働局の指導もあり得ます。

そこで思慮ある会社は人員整理の前に雇用維持を善処し、それを支援するために国も雇用安定助成金の枠組みを緩くしたわけです。

雇用維持を行うためにまず最初に助成金を得て一時帰休を実施すること。
または一部労働者を別会社へ助成金を得て出向させること。
次に賃金のカットを実施することとなります(役員はすぐに実施されたことでしょう)。
これらは会社の状況により順番に行われることもあれば、同時にいくつも行うこともあるものです。

賃金カットには
1)残業禁止は残業減少(これは一時帰休になれば現象しますね)
2)賞与や一時金の減額は支給停止
3)定期昇給の停止
4)諸手当(住宅手当や役職手当など)の減額または支給停止
5)基準給(基礎給や職能給など)の減額
などが考えられます。基準給の減額や定期昇給の停止は、将来の退職金や賞与支給率に影響を与えるものになります(各社給与規定によりますが、一般的にはそのようになると思います)。

とにかくみんなで賃金を下げても耐え忍んでいこうとしても、経営状況がそれを許さない場合があります。そうなれば何らかの人員整理を実施することになります。この辺、ひとつの答えというものはありませんから、会社ごと、経営状況、労使関係、経営者の思想などでいろいろ変わってくるもので、ひとつの考え方とご理解ください。

補足

投稿してから誤解されるかと思いましたので補足です。

会社にいつも協力せよということではありません。協力できるところは協力し、納得できないことは確認され、会社の考えや次の出方を予想して自分なりの判断をされるのが望まれます。
いろいろ意見を聞かれるのもよいことですが、相談相手は会社のこと、家庭事情をよく知らないので、あくまで参考としご本人がよく熟考して行動してください。

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