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絶対帰還。 

絶対帰還。
絶対帰還。河野純治

おすすめ平均
stars宇宙に取り残された三人を救出
starsおもしろかったっす
stars確かにおもしろい
stars国際宇宙ステーションの3人を無事救出せよ
starsちょっと期待はずれ

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宇宙。それは人間の存在をすべて無にするほどに広大で、孤独なものであり、人間の心を虜にしてしまうらしい。

匝は有人飛行の話を読む中で、何回かこのような体験をしている宇宙飛行士の話に出会ったことがある。いや、実際は宇宙に行ったすべての人がそのような体験をしているのかも知れない。漆黒の空間で音は自分の息遣いしか聞こえず、見えるものはなく、触れるものもない。宇宙船から離れれば存在は自分しかなくなる世界。

この本には、国際宇宙ステーションへのエクスペディション6のクルーの体験が書かれている。
宇宙飛行士になるまで、そして実際に資格を取ってから宇宙に出発するまでのトラブルの数々。そして国際宇宙ステーションに滞在中、地球に帰還したスペースシャトル“コロンビア”の事故により、予期せぬ長期滞在。スペースシャトルが使えなくなり、帰還する方法をNASAが検討し、ようやくロシアのソユーズを使うが帰還中にもトラブルが発生するという、数奇な体験をした3人のクルー。

読んでいて印象的なシーンはいくつかあった。
アメリカとロシア(ソビエト)との宇宙開発や技術的な思想の違いや、各人がどのような人生を経て宇宙へとやってきたか。

それでも特に印象的だったのは、ステーションからようやく地球への帰還が決まった記者会見の場面。
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帰還する三人は、狭苦しい空間に長い間閉じ込められ、疲れはて、ずっと寂しい思いをしていたにちがいないのに、どことなく口が重い印象があったので、地上の人々は驚いた。
「じつをいうと今は名残惜しい気持ちでいっぱいです」バウアーソックスはいい、ここ数日、その気持ちは薄れるどころか強まるばかりで、そのことについてずっと黙って思いをめぐらせていたと打ち明けた。
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スペースシャトル“コロンビア”が地球への帰還に失敗したのを国際宇宙ステーションで知り、帰還する方法が当面なくなり、予定外の長いミッションになったものの、宇宙に未練を感じている三人の心は宇宙の虜になってしまったのではないだろうか。

我々が経験できるとすれば“祭りの後”。何か大きなイベントとかが終わりを迎える時の空虚な思い。我々が経験できる範囲とすればその感覚に近く、実際はそれよりも深いのかも知れない。

今や宇宙のうち、軌道まではパッと行ってパッと帰ってくる感覚だし、実際、当たり前になりつつあって世間の注目を集めなくなりつつある。少なくとも軌道までは探検や冒険ではない、定期航路のようなものに見えるが、やはり生死を賭けた仕事であり、人々を魅了する世界なのだろう。宇宙飛行士は
涼しい顔をして何事もないように仕事をし、カメラに映っている。そして仲間と楽しげにしているようで、実は孤独であり、その孤独を楽しんでいるのかも知れない。

地上でそのような体験ができるだろうか。
青く光る地球。夜の北極圏を丸く緑に彩るオーロラを足元にみることができたら、自分の世界が大きく変わると思う。

最後に、少し残念だったのは、やや冗長であること、まわりくどい比喩が散見されることだろうか。

NASA:Expedition Six Crew
http://spaceflight.nasa.gov/station/crew/exp6/index.html

NASA:Expedition Six Videos
http://spaceflight.nasa.gov/gallery/video/station/expedition6/ndxpage1.html

ぺティット氏の実験のほか、バウアーソックス氏、お気に入りのブルーの半ズボンを洗濯しているビデオもある。読了後に観ると楽しめます。

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