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なつのロケット 

なつのロケット
なつのロケットあさり よしとお

白泉社 2001-07
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3、2、1、イグニッション、リフトオーフ
青く高い大空へ轟音をたてて白煙を描きつつ上っていくロケットを見ると、大人でさえも興奮のあまり子供に戻ってしまうのかもしれない。

前回に引き続き宇宙ネタ。今度は荷物の衛星ではなく、運搬するロケットを取り上げたあさり氏のマンガだ。あさり氏は小学生なら知っている人も多いであろう、学研のまんがサイエンスの著者である。実は匝も全巻揃えており、科学の話題のネタにしていたりする。

ところで“なつのロケット”だが、実は川端裕人氏の“夏のロケット”のパロディ(?)である。“夏のロケット”は、宇宙への思いを断ちがたい万年青年達が有人ロケットを打ち上げるというお話、らしい…、というのはまだ未読なので詳細を知らないのだ。

“なつのロケット”は、受験のための勉強ではない授業を行う熱血先生が、保護者から批判を受けて学校を退職することになり、その先生のために教え子達がロケットを打ち上げようというお話。実に少年達が力を合わせてロケットを作っていくというさわやかな物語…ではない。実は大人のためのマンガなのではないかと思う、ドロドロさがある。

自分と同じくロケットを作っているクラスメイトへの妬み。仲間割れ、つげ口、自己中心的な考えなど、子供の陰の部分の描写が多い。また考えさせられる台詞もあり、例えば…
先生の「痛い目を見ながら自分のやりたい事をやるのと…他人にやらされている事だけをやってそれで何かしたと満足しているのと…おまえはどっちだ?」とか、
ライバル?の「先生に聞いたり本の丸写しで何かやってるつもりかよ」とか「過程なんて何の意味も無いのさ。「努力した」なんてのは卑怯者の言い訳だ」などなど、お子さまに語りかけているというより大人に語っている、そう感じる台詞だ。ちょっと耳が痛いな。

さて最終的にはロケットは無事(?)に打ち上がり、衛星を衛星軌道上に乗せることに成功する。このマンガのすごいところは夢物語よりは現実に近く、エンジニアの野田篤司氏がシミュレーションして小学生でも作れるであろうロケットの設計を基にしているところだ。野田氏は打ち上げるだけのロケット花火(弾道軌道)ではなく、地球を回る衛星軌道に衛星を乗せられるロケットこそロケットというお方。氏は全長265センチ、全重200キロ、ペイロードに100グラムの衛星を搭載できる液体燃料ロケットを設計した。詳しくは野田氏のサイトを見ていただきたい。氏のロケットに対する思い入れを感じることができるだろう。

何かこう形あるものを作ってみたいという気がだんだんしてくる匝であった。

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