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手形の紛失 

当座預金の残高を確認してると、金額が少し多いことに気づいた。
日々の入出金は確認しているので、一括処理をしている支払手形の決済額を確認すると、一社が手形の取り立てを忘れている。

約束手形というのは、代金の支払日に現金は渡せないが、ある期日(例えば90日後とか120日後とか)になれば現金に換金できる約束が記載された信用証券のことだ。

なんでこんなことをするのかというと、材料や商品を仕入れてから実際に販売するまでにはどうしてもある程度の日数が必要だ。特に製造業の場合、材料や部品を購入しても組立・調整、そして納品までに1ヶ月とか2ヶ月かかり結局、売上までに時間がかかる。建設業ではもっと長い期間が必要だ。

そこで現金の支払いを保留してもらう約束手形というものが活躍する。もっとも材料を売った方は現金ではないが、紙切れをもらったわけでもない。

約束手形には金融機関の信用がある。ちょっと創業したばかりの企業では約束手形や小切手を使いたいと思っても、金融機関が認めないのだ。そこには過去の業績や金融機関との取引関係などがからんでくる。

さて、材料などを売った会社は約束手形をもらった場合、期日まで持っていれば現金に換えることができるが、120日間も現金がない状態は会社の資金を圧迫してしまう。そこで金融機関にもらった手形を担保に融資を受けるか(手形割引)、さらに仕入先に手形を回すことを行う(廻し手形)。

手形割引は、手形額面から期日までの日数について金利を差し引かれて資金化してくれる。期日が来れば金融機関が手形額面の満額を手に入れるわけだ。

廻し手形は、約束手形の裏に自分の住所と会社名、そして会社の印を押して、支払い代金の一部として支払うことだ。裏に記名押印をし次の受取人を書きこむので、裏書手形ともいう。

期日がくると手形を持っている人は金融機関に持ち込む。すると小切手と同様に入金してもらえるが、期日を含む呈示期間を過ぎると金融機関では資金化してもらえなくなる。なので通常は事前に金融機関に預けてることが多い。これを取り立てというが、この際は手数料がかかってしまう。ま、安心料だろう。

ところで最初の話にもどるが、確認すると社長さんが入院してしまい、銀行に取り立てに回していないことと、困ったことに約束手形がみつからないというのだ。約束手形があればそれを送ってもらうことで現金支払いが可能だが、約束手形がないとそれができない。

期日がきているからいいのではないか、とはいかない。約束手形は、原則として現金を支払わねばならないものなのだ。約束手形で支払った後、不良品だったから支払った約束手形は無効ということはできない。払わねば不渡りになってしまうのだ(ま、実際はそこまでには至りませんが)。

今回の場合だと、約束手形が見つからないのは認めたとして、裏書されて第三者に廻っている可能性は否定できない。裏書手形を持っている人が取立てを忘れている場合だと、仮に紛失した会社に手形交換なしで支払った後、裏書手形の所持人が手形を持ってきた場合、支払う必要がでてくる。絶対にトラブルになる。これは期日が過ぎても同じである。期日が過ぎれば紙というわけには実際はいかない。金融機関で資金化ができないだけなのだ。

匝は金融機関に紛失の届けをすると共に、今後の対応を聞いた。
一つ目は、紛失した会社が警察に紛失届を出し、公示催告の説明を受けよ。
二つ目は、「本件、手形に係わる件に関し、一切迷惑をかけない」という内容の念書をもらえ。
とのことだった。

公示催告とは、「手形無効」にするため簡易裁判所に申し立てる手続きで、官報と裁判所に掲示されます。そして法で定める期間を経れば除権決定され手形は無効となります。もっともこの期間以前に裏書きされたものが無効かどうかよくわかりません。そのため除権決定後に現金を支払っても、裏書手形を提示されるとトラブルになるので念書が必要なようです。

手形はなくさないようにしてください。

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