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手形の不渡り 

先日、“手形の紛失”を書いたけれど、ついでに手形の不渡りも書いておく。

手形の不渡りは、約束手形を現金に換金できる期日に約束手形を発行した会社(振出人)の当座預金が残高不足で現金が引き出せない状態になったときに起こる。

金融機関は日々、手形や小切手を手形交換所というところに持参して、各金融機関の手形を相殺して過不足分を資金移動させているらしい。つまり手形や小切手を一枚一枚精算して資金が行ったり来たりしているわけではなく、A銀行が持つB銀行の小切手とB銀行が持つA銀行の小切手を相殺した残額を資金移動させているわけだ。この作業を手形交換所というところで行っている。

当座預金残高が不足している場合、資金化できなかった約束手形や小切手には付箋(資金化できない理由が記載されている)がついて戻ってくる。この時、絶対に付箋をはがしてはならない。不渡り理由が記載された付箋が付いた状態で相手方に現金を請求するわけだ。実際は差し押さえの請求などを行う時に付箋が重要です。

振出人からもらったのではなく裏書人からもらった裏書手形の場合は、裏書人に現金を請求してもよい。おそらく受取人と裏書人の連名で振出人に請求する場合もあるだろうが、それはケースバイケースだろう。とにかく手形受取人は振出人に現金を請求することができるのだ。最悪は裁判となる。この時に付箋が手形に貼られていることが必要。

ただ付箋の理由が「手形要件不備」の場合は、不渡り以前に約束手形自体が無効であるので事実上紙切れとなりましょう。経験では振出日未記載でくらったことがあります。三重チェックのすべてで見落とした結果、100万円がパーとなった苦い経験。あげく振出人は当座預金不足で不渡りとなったし。
振出日未記載の手形を受け取ったら、自分で書いてしまっても構わないので(実務上)、受取日でも書いておけば大丈夫だろうきっと。

手形をもらった方ではなく、振り出した方も、契約不履行で渡した手形を資金化させたくないということもあります。だからといって預金残高を0にすれば自分の会社が不渡りを出してしまった会社となってしまいますから、ここは慎重に対応せねばなりません。

まず取引銀行に相談しますが、資金不足で不渡りするのではないという意味で手形交換所にその約束手形記載の金額を提供金という形で預託します。つまり支払う資金はあるし、その資金は当座預金から金融機関(手形交換所?)へ預託するので不渡りにしないでください、ということです。

これで契約不履行についての話し合いがまとまるまで、資金は宙ぶらりんの状態にし、振出人は銀行取引停止せずに話し合いができます。もっとも相手も差し押さえとかいろいろ行ってくる可能性がありますが、それは約束手形とは関係なく商取引の問題でしょう。

さて手形をもらった方も契約不履行で不渡りとなった場合、そのままでは資金化できない。これをあらかじめ裏書して他の会社に廻してしまっていたらどうか。この場合、善意の第三者たる最終の受取人が振出人に資金化を要求する。つまり先にも書いたとおり最初の受取人の契約不履行など関係ないのだから資金化しろと振出人にいえるわけだ(普通は裏書人に請求しますがね)。ですから契約不履行で手形が不渡りになりそうな場合は、あらかじめ裏書して第三者に渡しておくというのもテクニックですな。

ま、これ以上はいろいろケースバイケースであって、むずかしいのですが…

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