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地震の深さの違い 

地震の深さによって発生のメカニズムが違うことを簡単に説明する。
詳細は専門の文献を調べてください。
90810_EXPJPW.jpg
防災科学研究所から転載したここ1ヶ月の日本の地震の震源マップです。クリックすると大きくなります。
赤丸は深さ20kmまでの地震。
黄色から緑色は20~70kmくらいまでの地震。
青色は100km以上の深い地震です。

こうみるとなんか共通しているように見えませんか?
太平洋沿岸では、海から日本列島までの間で黄色から緑色に変化しています。
日本列島の陸地では赤色が優勢です。
青色は日本の中部を横切るように現れていますね。

黄色から緑は太平洋プレートやフィリピン海プレートが沈み込んでいる部分です。
そして青い部分は太平洋プレートの一番深い部分に相当します。この図から頭に中をを三次元に想像してみてください。

横から見ると下図のようになります。
90810a.jpg

黄色から緑の部分は“C”の部分になります。ここはユーラシア(大陸)プレートと太平洋(海洋)プレートが衝突している部分で、来る東海地震や南海地震、十勝沖地震などの海溝型地震の発生場所です。海洋プレートは沈み込んでる部分の重さで地球内部に引きずりこまれていると考えられていますが、大陸プレートの端っこも海洋プレートと一緒に引き込まれます。しかしある一定のところで跳ね上がるように元に戻りますが、その時に大地震が発生すると考えられているのです。
実際はヌルヌルしている部分があったり、古い海山がひっかかっていたりと、地域によって挙動が違います。

さて、赤い部分は陸地の浅い部分で見られますが、これは海洋プレートが東や南から押しつけてくるしわ寄せの部分です。大陸プレートの端っこが跳ね上がる前にいろんなところにひずみがたまっていきます。大陸プレートの端っこは耐えていても内陸のしわ寄せ部分のひずみは増していきます。いろんな部分にひずみがたまりますが、断層といわれる部分は特にひずみがたまりやすく、ここが動くと浅い地震が発生することになります。ひずみ(断層)はたくさんあるので、どこでひずみが開放(地震発生)するかの予見はなかなか難しいです。大量の雨が降った後、地中深く地下水が流れることでひずみが開放されやすくなることもあります。この部分は図で言うと“A”にあたります。

昨日の深発地震のように深い地震が起こるのは“D”の部分です。ここでも小さな地震が起きているでしょうが、距離が遠いため大きな地震でないと観測されません。この部分では海洋プレートがちぎれたり、ヒビが入る。または温度による膨張や固体が溶けて液体に変わるなどの相転移によって地震が発生すると考えられていますが、はっきりとしたメカニズムはわかっていません。深さ700km以下では地震が観測されておらず、海洋プレートが存在できないと考えられています。この辺はプルームテクトニクスの考え方が必要です。

“B”の部分では海洋プレートが曲がる(ただし地球は球体なので極端に曲がることはないようだ)際に、ヒビや亀裂などが発生する時にも地震が発生します。

ところで千島列島から北海道、東北、関東を通り、小笠原までは太平洋プレートがあり、沈み込んでいます。そのいちばん深いところが青色の部分になるわけです。

東海から四国、九州東部、そして沖縄、台湾へと続くところはフィリピン海プレートの部分です。こちらはあまり深くまで沈み込んでいないため青い部分の地震はありません。

大陸プレートのユーラシアプレートと、海洋プレートの太平洋プレートとフィリピン海プレートが合流する地点に関東地方があります。東京の下には上から大陸プレート(正しくは北米プレート)、フィリピン海プレート、太平洋プレートの三層があります。房総から茨城県南部の地震はフィリピン海プレートと太平洋プレートがこすれて発生している部分です。
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上と下の図を見比べてください。
90810c.jpg
フィリピン海プレートは、日本列島にぶつかり地中へともぐりこもうとしますが、プレートに乗っかっていた大きな島が引っ掛かり右と左に分かれてしまいました。この島こそ伊豆半島です。伊豆半島はグイグイ日本列島を押して丹沢そして関東山地を作り上げたといわれます。このため神奈川県西部から山梨県東部の山間部では浅い地震が多発しています。関東大震災の震源(最初のもの)もこの付近になります。

ここから伊豆半島東部でプレートは割けて東京の地下へと潜っていきますが、今度は太平洋プレートが邪魔して太平洋プレートの上に乗っかるように沈みます。このためプレート境界の部分で地震が多くなります。房総から埼玉方面へと回り込むように沈むために、房総では浅く、茨城南部ではやや深く、埼玉付近ではさらに深いところで地震が発生しています。

伊豆半島東部ではプレートが割けているためか、火山活動が活発です。
逆に駿河湾のほうの沈み込みは緩いのかあまり地震は発生していませんが、東海地震など周期的な地震は発生してるようです。

ちなみに伊豆半島でもひずみは大きく、1000年に一度といわれる北伊豆地震が発生。現在の函南付近で深さ1kmを震源にM7.3という兵庫県南部地震(阪神大震災)と同じ規模(ただし阪神の深さは16km)の地震が発生したことがあります。昭和5年でちょうど東海道本線の丹那トンネルを掘削中でした。この地震は伊豆半島の真ん中を境に南北に断層(丹那断層)が走り、2メートル以上ズレたため、掘削中のトンネルが中でずれてしまったほどです。このためトンネル内でS字カーブが存在しています。新幹線は大丈夫か?一応、今後1000年近くは発生しないということになっているので…。

地震は災害としては恐ろしいものですが、地学的にみると非常に興味深いものです。
固体と液体の変化や摩擦、温度、地下水や潮汐(月などの影響)などいろいろな要因が複雑に絡み合っているんですね。

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