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関東大震災と阪神大震災 その2 

関東大震災と阪神大震災 その1のつづき

■災害の規模
どんなに地震学的な規模が小さい地震でも、震源が浅ければ大きく揺れ、人口密集地であるほど大災害となる。地震が人のいない砂漠とかであれば、規模が大きくても災害はゼロに等しいだろう。

兵庫県南部地震は、地震の規模が関東地震のような大規模ではなかったので大阪を含めた広範囲での大災害にはならなかった。

関東大震災でもそうであったが、阪神大震災でも大きな被災地は局地的だった。
当時の震度は計測では6まで、震度7は建物の倒壊率から決められた。そのため現在の震度7とは意味合いが違う。次のサイトには震度7(つまり建物の3割以上が倒壊したエリア)のエリアマップがある。

株式会社ブイテック:住宅の耐震診断

今、阪神大震災を調べると倒壊したビルや建物、高速道路、脱線した鉄道などの写真がたくさんでてくる。当時の報道も同じような映像ばかりだったが、決して神戸全体が壊滅したわけではない。報道的にはそういう大きく壊れたところに価値があるのだろうが、被災地に親戚がいる人たちにとっては神戸全体がこういう状態だと心配されたことであろう。実際の被災地の大部分は神戸市内のJRと阪神神戸線沿いである。これより高台の部分は地盤がしっかりしていることもあって建物の倒壊は少なかった。海沿いは地盤も緩かった上に推定断層の上にあたったのが揺れを大きくした原因だったのだろう。

関東大震災でも倒壊は主に隅田川東側の軟弱地盤で多かったとみられ、台地の建物はそれほどの被害を受けなかった(本郷の東大はレンガ造りのためか倒壊)。関東大震災ではよく東京を例にされるが建物の被害が多かったのは震源があり、県の下が断層となった神奈川県の方が大きい。東京の場合は地震被害というよりも二次災害の火災(人災)による被害が大きく、さらに死者の半分が狭い被服廠跡(現、横網公園)のものであることにも注意したほうがよい。

■防災
さて次のサイトをみてほしい。

境有紀のホームページ:1995年兵庫県南部地震の神戸海洋気象台の強震記録について
http://www.kz.tsukuba.ac.jp/~sakai/hgn.htm

よく「阪神大震災でも耐えられる」建物とか「阪神大震災を体験できる」体験装置などがあるが、あれは阪神大震災のどこの揺れのことを言っているのだろうか。

阪神大震災でもっとも建物が倒壊した場所こそが震度7のエリアである。気象庁が観測していた神戸海洋気象台は当時、中央区中山手通7丁目にあり、ここの倒壊率は当時の震度7の基準以下、というよりも全壊の家も数%でした。現在の計測震度では震度7のようですが、地盤がよかったせいか、建物に損害を与えるような大きな揺れは少なかったようです。

なので、神戸海洋気象台の地震波形で耐えられる家であっても、阪神大震災の震度7エリアで耐えられるかどうかはわからない。いや、耐えられない可能性も十分に高いことも考慮しなければならないということです。

阪神大震災は水平方向に大きくずれた地震であったのと、神戸が迫る山と海に挟まれた狭い地域であったのとで特殊で大きな横揺れ(ほぼ一撃)により建物が倒壊したと思われます。また高速道路はその横揺れを真横から受けたために横倒しになってしまったと考えられています(さらに手抜きもあったという報道もありましたね)。

防災科研:耐震工学研究センター 実験動画
1)伝統木造住宅震動台実験(wmv)
 昭和7年に建築された京町屋を震動台へ移築。耐震補強したものと、同様の京町屋を耐震設計で新築したもの2棟を震動台に載せ、神戸海洋気象台観測の兵庫県南部地震の波形100%を加震実験した。
 いずれも倒壊しなかった。昭和7年の建築物でも、耐震補強がなくても地盤がよければ十分に耐えることができるようだ。神戸海洋気象台の震度は当時の尺度で震度6。現在の計測震度では7に相当。つまり「阪神大震災でも耐えられる」という触れ込みの宣伝が神戸海洋気象台の揺れのことであれば、一般にイメージするあの被災地とは全然違う場所の揺れで耐えられると言われていることになる。

2)在来木造住宅震動台実験(wmv)
 昭和55年に建築された木造建売住宅2棟が西明石から移築。A棟(動画右側)とB棟とし、B棟には耐震補強を施工してある。いずれも移築のため強度の低下の可能性はあるとみられている。
 加震する波形は、JR鷹取駅観測の兵庫県南部地震の波形100%。これは阪神大震災で最も倒壊率の高かった地域である。また上記1と比べてみても揺れの大きさが違うことに気づくだろう。
 実験の結果は、耐震補強を施工した方が倒壊を免れた。ただし2回目の加震実験では、耐震補強したA棟も倒壊したので、地震後は余震による倒壊に備え避難した方がよいことを示すのではなかろうか。
 この程度の住宅は都内や横浜などでみることができる。これらが倒壊し火災が発生する二次災害を避けるためにも耐震補強を実施されることが望まれる。横浜市では耐震審査の結果から耐震補強の補助金を受けることもできる。

3)地震災害時における医療施設の機能保持評価のための震動台実験(wmv)
 こちらはちょっと過去の大震災から離れる。
 この実験は直下型地震または長周期地震が発生した時の、免震構造と耐震構造の建物の揺れの違いを観測するものである。
 直下型地震には、神戸海洋気象台観測の兵庫県南部地震の波形80%。
 長周期地震には、名古屋三の丸地区推定の東海・東南海地震の想定波形。

 耐震構造はとにかく建物が倒壊しないことが第一で、中がどうなるかは使用者が固定方法など適切に行う必要がある。直下型地震では中の人やモノがシャッフルされてしまう。それに比べ免震構造の建物は揺れを伝えないことが第一であるから震動を吸収し、中の人やモノは固定されていなくても被害は少ない。
 それが長周期地震では、免震構造では免震が裏目にでて揺れを増長してしまう。まるで波に翻弄される船のようだ。耐震構造の方を見ても震度5弱くらいだと思うのだが、免震構造だとおそらく転倒や固定されていないものが倒れたりして結構な被害が出そうである。

 以上から固定することが防災に役立つことが理解できると思う。建物が倒壊しないことばかり考えず、家具などの固定も十分に準備しなければならないだろう(と、自分にも言い聞かせます)。

もっと詳細な情報や動画を見たい場合は、下記のリンクをご覧ください。
http://www.bosai.go.jp/hyogo/movie.html

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