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携帯電話で考える景気 

なんでまた景気が悪いのか。よくよく考えてみる。
ま、昨年からの急激な景気の落ち込みは“鏡の国の大不況”で書いたが、この不況もこれから考えることの延長線にあるのかもしれない。

さて我が国は、戦後の焼け野原から日本再建がはじまり、高度成長期を経て石油ショックで低成長へと移った。その後、やや景気が悪くなったところで外貨政策の変更があり急激な円高とバブルが到来する。この時点で人類の夢であった完全雇用が実現した…それも資本主義下で。

履歴書に名前さえ書ければ就職でき、書けない人だって決められた場所で待っていれば車がやってきて日雇いの仕事をくれる…という冗談が本当に聞こえるくらい職に困らない。時間に追われるような生活に嫌気が差した人は、自分探しの旅に出ることも可能だったのだ(これは今でも可能か?)。

でもその後数年で、バブルは崩壊してしまう。

携帯電話の進化は凄まじいものがあった。

最初は肩掛け式で自動車電話を持ち歩く感じだったのだが、今や自動車電話もほとんどないだろうからイメージできないか。とてもお高いもので業務用でしか使えない。映画“マルサの女”で国税庁の査察官が使っていたかと思う。

その後、携帯電話会社も複数登場し、価格が安くなり始める。
かなり角ばった重たい携帯電話が発売され、企業向けに購入されはじめる。それでも多くの営業マンなどはポケベルだった。高校生もポケベル持っていて、凄まじい速さで公衆電話のボタンを押してメッセージを送る生徒もいたっけな。

阪神大震災で電話が使えなくなったときでも、携帯電話は使えたということでチェーン店や工場などで非常通信用に携帯電話を常備することが多くなった。この時点では一般に携帯電話が普及しはじめたころだ。

さて、ここまで10年の歴史である。これまではアナログ携帯電話で、音声が途中で途切れ時空のかなたに「もしもし」を言い続ける光景が普通にみられた。ここからはデジタル化と多機能化が始まる。

音声がきれいになったり、メッセージが送れるようになると購入する人が増え、先に述べたポケベルは廃れて携帯電話へと移行する。価格も高校生でもどうにか買えるくらいになってくる。そうすると大量生産をしなければならない。

携帯電話機メーカーはこぞって設備投資をする。すると建設業や設備関連の会社が引っ張りだこだ。
何十億というお金が投じられて生産ラインが作られる。エリアの拡大でアンテナの建設も進める。

とにかく加入者を多く取り込めば、それだけ将来安定するという発想で価格を安くしたり、販売店へのマージンを増やしたりして携帯電話各社はしのぎを削るが、だんだん安さだけでは売れなくなってくる。

別の会社にない機能ということでインターネットサービス開始。
これにより新しい機種の製造をはじめねばならず、携帯電話機メーカーはさらに設備投資をして生産ラインを新設。従来の生産ラインの改造も行われたろうが、短期間での生産ラインの変更は先に投資した金額を回収しきれない。設備投資を回収するには5年も10年ももかかるはず。

さらに個性的な機種を開発するために、研究開発資金も投入。当然、開発要員も投入される。
そこでカメラ付携帯がJ-Phoneから登場。独壇場となるため、ややお高い金額で販売。画像データを送ることも増えパケット代もホクホクだ。しかし、ここでまたまた携帯電話機メーカーは生産ライン設備の更新だ。この頃、日本人の半数が携帯電話を携帯する回線数となる。

画期的だったカメラ付携帯も各社も搭載し始めたため短期間で追いつかれる。ここにきて携帯電話会社の統廃合がはじまる。携帯電話機もだんだん売れなくなってくる。それはそうだ、日本人の半分以上が携帯し、すでにパイが少なくなってきたんだから。

売れなくなってくると困ることが起きる。新規のお客がないと携帯電話会社は収入が減ってしまうため、他社からの乗り換えを促進。代理店もマージンが少なくなってきて儲からなくなる。携帯電話機メーカーも生産ラインを新規に作れなくなるし、そもそも過去の投資した金額が回収しきれていない。

どうにか新機能ということでワンセグ入れたりするも、それほどの高機能は不要な人も増え、また国民のほとんどが携帯を持つようになると売れなくなってしまい、電話機も新規販売よりも古くなったから更新というパターンが増え、生産量が減少する。すると生産ラインの工員さんも減らされてしまう。

携帯電話産業は不景気となる。

以上は携帯電話での流れを考えてみたのだが、携帯電話の各会社を日本の産業に置き換えれば経済の発展はいずれ低成長になることがわかるのだ。ではどうればいいのだろう…。


つづくかな?

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