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セルロースからアルコール 

先日の“石油タンパク”で書いたセルロースの話。

アシモフのSFではセルロースを分解・糖化。酵母を使って食用のタンパク質を生成するというものだったが、現代ではセルロースを分解・糖化してアルコール(エタノール)を生成する技術開発を行っている。というより、世界で大量生産のための競争が行われている。

トウモロコシから作るのはアメリカ。サトウキビから作るのはブラジル。しかしこれらは食糧から作るためどうしても食糧の価格高騰が伴ってしまう。実際に一昨年あたりに投機筋によってバイオ燃料を見込んだ穀物の先物買いで価格高騰してしまいました。食糧の輸入に頼る途上国は価格高騰で食べものが少なくなってしまい、日本でもパンなどが値上がりしました。

というわけで、食糧由来ではないセルロースからアルコールを生成する開発競争が行われているわけだ。

セルロースは植物繊維と考えていい。というより植物が経っていられるのはセルロースのおかげ。

アメリカはトウモロコシの茎などの廃棄物を利用する。ブラジルはサトウキビの搾りかすや廃棄物のほかアメリカ同様にトウモロコシの廃棄物も利用。両国はしのぎを削っている。
カナダも林業(木材)からの廃棄物を利用してアルコールを生成している。
ただし実験プラントレベルであり、まだ商業(採算)ベースでは成功していない模様。

日本ではアサヒビールが沖縄でアルコールを作っているが、こちらはセルロースの利用ではなく糖分(グリコース)から作られているようだ。
とはいえ、我が国もNEDOを中心にセルロース由来のアルコール生成技術を開発している。

とにかくセルロースを分解して糖に変えるのは大変な作業なのだ。セルロースは化学的に安定しているため高温・高圧での加水分解を行うか、セルロースを分解する微生物を使う。しかしこれでは実験レベルではできても、大量生産で価格を安くできない。さらに天然由来の植物を使っているがただでさえ分解しにくいセルロースに固着剤の役割をするリグニンという物質がくっついているため、植物繊維から効率よくアルコールを作るにはそれ相当の技術開発が必要らしいのだ。

作られたアルコールはガソリンに混合したり、またはアルコール自動車などに使われる。植物由来なのでアルコール自体は温暖化ガスの排出を心配しなくてよい(植物は二酸化炭素を吸ってセルロースを作っているため燃やしても同じ量だけの二酸化炭素しかださないから温暖化ガスは増えない)。
あとは生成するためのエネルギーを少なくすることができればよいわけだ。

日本で最大級のセルロースを含んだ農業廃棄物というとイネではなかろうか。特にもみ殻はどうしようもない。もみ殻の80%はセルロースであり、また残りの多くはシリカなのでガラス質。つまり分解しにくい。土に埋めてもなかなか腐らない。そこで秋の風物詩として田んぼの真ん中にもみ殻を山にして真ん中に煙突を立て、火をつけて蒸し焼きにする方法。もみ殻くん炭を作る。炭となったもみ殻は土壌改質剤として使うのだが、これをもっと活用できればと思う。

10年くらい前にもみ殻でつくったインスタント食品の容器というのを見たことがあるが、それっきりだな。

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