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いつか僕もアリの巣に 

いつか僕もアリの巣に
いつか僕もアリの巣に
おすすめ平均
stars見えざる支配者たち
stars蟻にはなりたくないけども
starsアリへの愛と熱意が込められている
starsなんだかイライラするとき、ムカついたときにオススメ

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「先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!」を読んだ後、amazonメールでお勧めになったのが、この「いつか僕もアリの巣に」だった。アリの巣に“なる”のか、アリの巣に“入りたい”のかは不明だが、タイトルに惹かれて買ってしまった。

アリとは、身近なようで最近はあまり見ていない。子供の頃はよくアリで遊んだ。アリにとっては大迷惑だったろう。他の巣のアリを別の巣の近くに置いて、別の巣のアリたちに小突きまわされるところを興味深く観察したり、バッタとかチョウを捕まえ身体の自由を奪って(!)巣穴近くに置いてみたり。時には巣穴の秘密を探るためにシャベル片手に掘り進むが、すぐにわからなくなって逆切れでグチャグチャに埋めてみる。またある時は巣穴に水を流し込むなど、結構ひどいことを行っていたものだ。それでも結構、翌日にはくじけずに巣が再興されていた。そんな経験はみなさんもあることだろう。

アリといえば高い所、たとえば高層ビルとか観覧車などから地上を見下ろしてニタリと微笑み、
「はっはっは、まるで人がアリのようだ」などとのたまった経験もあるかと思います…えっ?ない!

本書は、以上の似たような幼少期を過ごしそのままアリの研究者になってしまったアリのエッセイである。全体は3部構成となっている。

パート1は、アリ案内初級編。アリの知られざる生態を知ることができる。
パート2は、アリと研究者の春夏秋冬。著者を中心にアリたちとの1年が淡々と語られる。
パート3は、アリ案内上級編。アリの社会構造、特に女王アリ、働きアリ、雄アリの子孫をめぐる戦いを中心に書かれ、最後には世界征服をめざすアリにも触れられている。

本を開き読み始めると結構大きなパンチをくらう。
世界最大のアリのコロニーは日本にあるというのだ。それも北海道石狩浜の海岸に長さ10kmにも及ぶコロニーがあるそうだ(もっとも石狩浜海浜植物保護センター通信によると、新港開発と自動車の乗り入れで減少しているという話も)。

研究者としての話は、普段目にできない研究職の姿を垣間見ることができる。アリが好きでないと務まらず、好きなだけでも務まらない仕事量。そこには愛が必要なのかもしれません。

パート3にある巣の中のアリの生態は非常に興味深く読めました。
働きアリも卵を産むことができるが、未受精卵であり普通は栄養卵として幼虫などへ与える。しかし女王アリが死んだりすると未受精卵からは雄アリが生まれるとのこと。女王アリの子は働きアリにとっては姉妹になる。女王アリがいなくなると働きアリも子孫を残そうと雄アリを産むらしいのだ。

女王アリがいる間も産卵すればいいような気もするが、そこは不思議な血縁関係があり働きアリにとっては自分の子供よりも姉妹の方が血が濃いので姉妹の面倒を見る方が遺伝子を伝えるのに有利らしい。

また女王アリも女王のイメージとは違い、結構働いているそうで自分の子供の面倒をみている。そしてもっとも重大な仕事は自分の存在を働きアリたちに知らしめ、裏切りのないように監視しているとのこと。この辺は人間の王室の歴史に重なる部分があるように思える。もっとも女王アリが生む働きアリと雄アリの頭数管理は既存の働きアリのさじ加減で決まっているようで、それはそれで寂しい。

読むほどに身近なアリが不思議に感じる1冊です。
結構、アリの世界も辛いのがわかります。さぼっているアリがいるのは、他のアリが働きすぎているから…だそうです。いい教訓になりそうです。

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