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科学的手法と罠 

カマキリの卵のうと積雪深さとの関係。
これは一時有名になった、カマキリはその年の最大積雪深を予知できるというものだ。

雪国新潟では、カマキリは卵を雪に埋もれない高さに産むため、卵の高さをみるとその年の積雪深がどの程度か予測ができるという伝承があり、それを調べたおじさんがいるのだ。そしてエッセイとして出版。

さらにそのことが正しいかどうか、大学の先生も検証し研究が妥当であると評価された。これは当時ちょっとした話題になった。

しかしその後、研究方法への疑念や昆虫学の先生の研究で前提条件(卵は雪に埋もれると死ぬから埋もれない高さに産む)でも孵化することがわかる。

科学の世界では一度発表した論文が追試によってひっくり返ることはよくあること。反証可能性といって、研究した方法や推論が検証できるようになっていることが大事で、誰か別の人が追試することで肯定されたり否定されたりすることで科学は発展していく。

カマキリの事例では、研究者と検証した大学の先生は工学の人だった。つまり生物学の人は関わっていないため工学目線になってしまったのが罠にはまった一つだと思う。

もうひとつは研究者は注意していると思うが、思い込みの罠である。

どんなに科学的手法を使っても、それが誤って使ってしまったり、取れたデータを思い込みによって統計データを“補正”してしまい自分の信じる姿に持って行ってしまう恐れがある。合理的な批判者の目は必ず必要だと思う。科学なんて批判者からどつきまわされて生き残った理論がとりあえず使われるのだ。とにかく統計のマジックは科学だけでなく、健康食品などの新聞広告でも使われるので注意が必要だ。

科学的手法を装っているものに水伝…“水からの伝言”がある。
水の結晶の美しさは心の美しさを映すなど、いろいろ言われるものだ。

この中の実験で“ごはん実験”がある。ごはんは多くの水分を含む。
ふたつのタッパにごはんを入れふたを閉める。片方には“バカ”とタッパに書き、もう片方には“ありがとう”と書いて放置する。数日経つと“バカ”と書いたごはんには黒カビが生え腐敗し、“ありがとう”と書いた方は腐らずむしろいい香りがする、というものだ。ネットで検索すると「本当に」成功している例がある。

さて、上のごはん実験には罠がある。
まずタッパの数(実験数)が少ない。実はフタするタイミングなのか、黒カビが生えるものと生えないものがあるのだ。腐ってないと見えている方はどうも発酵(人間にとって都合がよければ腐敗ではなく発酵という)しているのではないか。

つまりは数が多ければ“バカ”と書いてある方でもいくつかは黒カビが生えない(別に黒カビさんがわるものってわけではなく、たまたま入らなかっただけ)。“ありがとう”の方に黒カビが生えることも多々ある。

当然、ひとつずつ“バカ”と“ありがとう”をやっても両方黒カビとか、“ありがとう”に黒カビが生える例もあるはずだ。しかしネット検索すると多くは最初に書いたとおりの例が多い(最近は批判も増えたからどうかな)。

これは次のように理解している。
1)“水からの伝言”の本を読んで自分も実験してみる。
2)“ありがとう”に黒カビが生えると、ガセじゃんということで自分が納得。→おわり
3)“ありがとう”がそのままに見え、“バカ”が腐敗すると驚き、さっそくネットに驚愕の事実を書き込む。
4)結果、“ごはん実験”の真実がまことしやかにネットにたくさん掲載される。

つまりネットで書かれていることは嘘ではないが、統計的に偏ったデータになっている。それも多くの人の心理的な問題で。

この問題はいろいろと考えさせてくれます。
科学に対する見方、姿勢。ネットの罠(それも誰が悪いということはないからたちが悪い)。統計のマジック(自らも罠に落ちてしまう)。むむむむむ、であります。
地震予知もこの辺の罠に多数はまった感じがしますね。

“水からの伝言”は科学界(特に物理学会)で看過できないほどの勢力になりつつあり、物理の先生方も反論しています。この辺、本当にいろいろと考えさせられますよ。


2009-11-24 20:50
と、偉そうに言っても自らも罠にかからないとは言い切れない。それだけ罠は巧みなのだ。
謙虚さと人の意見に耳を傾け、独りよがりにならないことが大切なのかな。
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