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いのちの食べかた (よりみちパン!セ) 

いのちの食べかた (よりみちパン!セ)
いのちの食べかた (よりみちパン!セ)
おすすめ平均
starsこどもに、おとなに、読んで欲しい。
stars絶対に目をそらさないで欲しい
stars牛、豚さんがパック詰めになるまで
stars肉だけに終わらず
stars忘れていた命の食べ方

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お肉はどこからやってくるのだろう…

匝の家は精肉店だったので品川芝浦の食肉センターには何度か連れて行ってもらったことがある。屠畜(屠殺)する現場はみたことがなかったが、皮をむかれて頭は切り落とされた身体を半分に切られた牛(つまり二枚下ろし)がたくさんぶら下がっているのを見て大きさにびっくりしていたものだ。これらを枝肉というのだ。

この本は、お店に並ぶお肉と牧場などの牛や豚などの間にある知らされない秘密が書かれている。
同名の映画“いのちの食べかた”(原題:our daily bread“日々の糧”)は、現場を見て知ってもらい、あとは自分で考えてもらうようナレーションなどの説明はなかった。この本はもっと奥深いところまで踏み込んでいる。

そう書くとむずかしいように感じるかもしれないが、小学生に語りかけるような文体で漢字にもルビが振られている。大人でも十分に満足できる内容だ。

「お肉はどこからやってくるのか」。お肉屋さんやスーパーの食肉売り場から買ってくるのは知っている。その牛や豚などは牧場などにいることも知っている。こんなに身近なことなのに、その牧場の“生き物”が、店先で“食べ物”になる間のことを多くの人が知らない。どこで“生き物”から“食べ物”になるのか。

そして問題は、知ろうとしない人々なのだろう。

食肉の歴史、古い考えからの差別。そして食肉だけでなく、世の中いろんな真実が隠されていることが明らかにされる。

読んでとても印象に残ったのは、ある職人の話だった。
『戦後間もなくて豚や牛なんてほとんどいない頃、大きな山羊がと場に連れてこられたことがある。山羊のと畜など、誰もこれまで経験がなく、命じられた彼は、ハンマーで眉間を殴ったが、豚なら気を失うはずなのに山羊は倒れない。あわてて何度も殴ったが、山羊は血だらけになりながら、やはり倒れない。最後に仕方なく、ナイフで止めを刺したという。
 これだけの話を語りながら彼は、「あの山羊には本当に申し訳ないことをした」と何度も繰り返した。日焼けした目許には、いつのまにかうっすらと涙が滲んでいた。もう半世紀も前の話なのに、一匹の山羊を苦しめて殺してしまったことで、彼は今もこれほどに苦しんでいる』

屠畜する職人がどんな思いで仕事をしているのか、一般の人が知ることはできないだろう。少なくともこの職人は、屠畜する際に苦しめないように仕事をしているのだろう。

ところで屠畜をみて「かわいそうだから、肉を食べるのをやめる」というのは、読み進めると全然解決にならないことがわかる。肉だけでなく、化粧品や調味料、革製品などありとあらゆるものが牛などから作られている。今の生活を避けることができない以上、どうしてもかかわってしまうことだろう。ここにも感謝。ごはんを食べる前の「いただきます」は“いのち”をいただくという意味だということを再認識しないといけないと思う。

「かわいそう」と思うことはいいことだと思うが、ここで考えなしに反対運動をしてもしょうがない。人から聞いた、テレビで見た、というのは知ることのいいきっかけであって、何も考えなしに信じることはいけない。
まだ健康によい食べ物とかをテレビで見てみんなで買いに行くならいいが、その姿勢は新たな差別や紛争を起こすきっかけにもなるのではないか。その時、みんなはいったん立ち止まって知り、考えることができるだろうか。

この本は最後の方でこのことも書いている。“思考停止”について。

大切なことは「知ること」なのだ。

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