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地中での電波伝搬 

一般的に地中および水中では電波は伝わらないと認識されている。しかし水中へは長波帯を利用した潜水艦への通信が軍事的に使用されている。また地中においても電波が伝わる周波数が存在し、京都産業大学においては地中内での電磁波を空電技術の応用で受信、地震の震源となると仮定されている方角の推定に用いられている。
 以下、文献からの備忘録とする。

 ○最初の文献

1) 1961年にウイーラ(Wheeler)がJ.Res.NBSに“Radio-wave propagation in the Earth's crust”と題して発表。

 ○電波伝搬の原理

1) 地表層(堆積岩層または風化岩層)では地下水のために電気的には導電性になっている。
2) 地表層の下には岩石層(花崗岩層や玄武岩層)があり、この層が乾燥していれば導電率が低いと期待される。
3) さら岩石層の下にはマントル(上部マントル)があり、高温、高圧のため電気的には導電性となっていると考えられる。
4) 以上の関係から地上での大地・大気層・電離層のように、地下には地表層・岩石層・マントルが存在し、電気導電率の低い
  岩石層において大気層同様に電磁波が伝搬できると考えられる。
5) それゆえに上部マントルを逆電離層とも呼ばれる。

 ○地下での伝搬方式

1) 地表波方式伝搬
地殻表面の導電性領域において水平送信アンテナから放射された電波が一旦地上にでて、地表波として伝搬し再度地表面に近い地中に設置した水平受信アンテナに受信されるもの。水中発信、水中受信のではこの形態になると考えられる。

2) 地殻内伝搬
岩石層に垂直ロッドアンテナを打ち込んで送受信を行う場合で、送受信点が近いと直接波・反射波といった幾何学的な伝搬となる。

3)  2)と同じく垂直ロッドアンテナを打ち込んだ場合で、送受信点が遠い場合、本格的な地殻導波管伝搬となる。導波管の下部は不完全導体のモホ面(モホロビチッチ不連続面)となる。この場合、伝搬路が導電率有限の岩石層であるため、電波の減衰が空気中に比べ遥かに大きく、通信が可能かどうかは地下での雑音に帰着する。

ちなみに地電流が存在するが、地電流の周波数が著しく低いとすれば地中通信での雑音にはならないとされる。

 ○地震予知への応用

1) 能動的地震予知法
2) 地震帯地域に岩石圏通信用送受信アンテナを設置する。
3) 地震発生前に地球内部のエネルギー蓄積により岩石圏の導電率や誘電率が1桁程度変化することが考察される。
4) 以上により、受信波の位相や強度の変化として充分検知されると期待できる。

 

参考:空電-雷の電波ふく射をめぐって-(佐尾和夫 1981 / 成山堂書店)

この記事は、電波観測情報の「地中での電波伝搬について」に記載した文章の転載です。

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