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探査機はやぶさ7年の全軌跡 

探査機はやぶさ7年の全軌跡―世界初の快挙を成し遂げた研究者たちのドラマ (ニュートンムック Newton別冊)
探査機はやぶさ7年の全軌跡―世界初の快挙を成し遂げた研究者たちのドラマ (ニュートンムック Newton別冊)
おすすめ平均
starsはやぶさは一つの大きなプロジェクトだった
stars終わりは次の始まり
stars面白いです!!はやぶさに興味のある人は必読(特に自分のような初心者)

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「はやぶさ」の旅路や各機器がイラストもりだくさんで解説されている。
インタビューはISAS(宇宙研)の方たちに行われている。
読んでいくと「はやぶさ」は、世界ではじめてのことをたくさん詰め込んだ野心的な探査機であったことが伝わってくるだろう。最低目標が電気推進(イオンエンジン)での稼働1000時間達成で100点であり、その後に続く地球スイングバイ成功(150点)やイトカワ・ランデブー成功(200点)であり、地球帰還成功(400点)、サンプル回収に至っては500点と出発する段階から帰還はかなり難しい見通しだったことがわかる。

ムックで取り上げる「はやぶさ」の機器は
1)カメラ
2)近赤外分光器
3)ターゲットマーカー
4)ローバー(ミネルバ)
5)サンプラーホーン
6)イオンエンジン
である。個人的に興味を覚えたのはターゲットマーカーとローバーだ。

ターゲットマーカーとローバーは、いずれも微小重力である小惑星でいかにうまく機能させるか、世界に前例がないところから構想されている(もちろんサンプラーホーンも同じではあるが)。

ターゲットマーカーは高いところから落下させても反発して飛んでいかないような工夫として「おてだま」を参考にしたというのが実に日本的だ。

ローバーは、いわゆる地べたを走り回る探査機はNASAなどで実際に使われていることもあり、日本独自のアイデアで微小重力下で素早く動ける方法として跳ね回るタイプを選択したことがおもしろい。残念ながら「はやぶさ」からの着陸に失敗してしまったが。

「はやぶさ」自体が本来、実験工学衛星なので世界にない独創性のあることにチャレンジしてきたことがわかるだろう。そしていくつもの初めての試みの中で地球まで帰還できたことは工学的な技術力の高さとソフトなどの運用面が優れていた証拠だと思う。

読んでいて何回か同じ言葉ができてきた。それは小惑星イトカワが到着するまで想像していたクレータばかりの一つの岩みたいなイメージが、実際はクレータはほとんどなく石や砂が寄り集まった星だった、というところだ。世界中の科学者の常識をひっくり返す出来事だったらしく、それだけでも大発見だったのだろう。

後半には「はやぶさ2」やさらに後継の「はやぶさMk2」のこと。
金星探査機「あかつき」やソーラーセイル「イカロス」の解説もあり、現時点で注目される日本の科学衛星が詰まっている。

これを読むと「はやぶさ」は終りでなく序章であることがわかる。「はやぶさ2」は本当の惑星探査機として出発することだろう。




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