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宇宙研特別公開2010 風編 

少し離れたところにある第6会場へいってみる。
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(JAXA提供:クリックすると大きくなります)

こちらには超音速(マッハ1.5~4.0)と遷音速(マッハ0.3~1.3)の風速を出す設備がある。建物の裏には巨大なタンクがあり、聞いた限りでは10分くらいで満タン(規定圧力だろう)になり、実験は約30秒程度できるそうだ。

タンクの弁を開くと気圧の差からタンクから一気に圧縮された空気が配管を流れていく。途中、風の乱れをなくすために整流器を通過し、弁の開け方によって速度が決められるしくみだ。

『風洞実験設備~超高速の流れを作る~』(pdf)

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この高速の空気の流れで何を実験するかというと、航空機やロケットなどが飛んでいる時に空気はどのように流れるか視覚化して確認するのだ。

と、近くにへんなものが。
これは一種のパラシュート。柔軟構造エアロシェルといって、宇宙から落下させたカプセルを膜をパラシュート代わりに使う実験。かなりの高速で落下するために通常のパラシュートでは困難。
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JAXAではこれをロケットのお尻につけて、できるだけ機体を無傷で回収して往還させることや、惑星探査で探査機を惑星上(火星かな)に落下させる時に使うことを想定しているらしい。

もちろん大気球から落下させる実験も行っている。実際にはもっと大きな膜が使われるはずで、写真のサイズはあくまで風洞に入るサイズということ。
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こちらの黒いものは「はやぶさ」のカプセルの1/4実験モデル。やはりカプセルの周りの空気の流れやカプセル自体に働く空気力を調べたのだそうだ。速度はマッハ4。こうやっていろいろ実験を繰り返しカプセルの形状を決めたことで「はやぶさ」が最後の最後でちゃんとカプセルが帰ってきたんだなぁ。
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そんなことを思いふけりながらも小腹が減ったので食堂へ。
この食堂入口に大学との連携展示がしてあった。目を引いたのは写真の「超音速複葉旅客機」。
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東北大学:大林・鄭・下山研究室

連携している大学紹介の中で匝が目を引いた航空機である。

超音速旅客機といえば英仏共同で開発した「コンコルド」が有名だ。もちろん西側に負けじと開発したソ連のツポレフ「Tu-144」もある。もっともアメリカは開発中止に追い込まれたらしいが。

超音速旅客機が世界で活躍すれば、アメリカへの日帰り旅行も不可能ではない。
しかし21世紀の現在、なんと超音速旅客機は飛んでいない。科学の世紀と期待されていたのにである。

最大の問題は
1)ソニックブーム(衝撃波)による地上への悪影響(窓ガラスの割れなど)
2)高高度飛行によるオゾン層の破壊
3)燃費の悪さ
などが挙げられる。

特に1は解決しないと陸の上空を超音速で飛行できない。なにせ高度5000mでもソニックブームが地上へ達してしまうらしいのだ。

このソニックブームをはじめとして欠点を解決する方法が複葉機なのだそうだ。
これは翼で生じる衝撃波を、もう一枚翼を設けることでうまく相殺させてしまおうという考えなのだそうだ。

東北大はJAXAと共同で研究しているが、JAXAはより多くの大学や企業とも連携して研究開発を行っている。

大がかりな実験が資金面と環境面でむずかしい我が国は、コンピュータによるシミュレーション技術や風洞実験で多くの検証が行われている。そのため実機による実験は失敗が少ないと感じる。資金が少ないからこそ創意工夫で乗り切っているのだろうか。


JAXA:静かな超音速旅客機を実現するために

JAXA:「静粛超音速機技術の研究開発」の進捗状況と今後の進め方について


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