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牛を追跡する(牛のトレーサビリティ) 

いつもお世話になっているツイッターのフォロワーさんが、年末に見た目もおいしそうな宮崎牛の写真をツイートした。グラム840円とは高級食材ではあるが、値札に個体識別番号があったので以前から紹介したかった牛のトレーサビリティを書こう。
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トレーサビリティとは、流通経路追跡(日本語では“追跡可能性”というらしい)のことだ。
食材の中では特に牛肉が一般の目にとまる。なぜなら国産牛には全て番号が振られており、スーパーの値札にまで個体識別番号(またはロット番号)が記載されている。この番号の記載のない国産牛はあり得ない(肉屋で量り売りの場合はどうか知らないが、少なくとも店までの包装には記載があるはずだ)。

では、このお肉にある個体識別番号を確認しよう。値札の上に記載がある。
「0838812776」だ。

の番号を“牛の個体識別情報検索サービス”という家畜改良センターのサイトで検索する。

牛の個体識別情報検索サービス
https://www.id.nlbc.go.jp/top.html
すると下のような画面が表示される。
この美味しく食べられたであろう牛は宮崎生まれの宮崎育ちの女の子というのがわかる。
しっかり黒毛和牛である。わずかに2年半の一生であったようだが。
110105c.jpg
さて日本のすべての牛のデータはこのように家畜改良センターで管理されているが、松坂牛や宮崎牛など銘柄牛の産地では独自にトレーサビリティを行っているところもある。

さっそく宮崎牛の検索をしてみよう。
“宮崎県産牛トレーサビリティシステム”というJA宮崎経済連のサイト。

宮崎県産牛トレーサビリティシステム
http://trace.lwj.info/
すると先の家畜改良センターよりも詳しい。
食べさせた飼料についても記載があるし、下の方にある「子牛登記書」をクリックすると、牛の戸籍ともいうべき書類が表示される。
110105b.jpg
上の子牛登記書はクリックすると大きくなります。
登記書を読むと美味しく食べられたであろう女の子と牛は「ゆい」ちゃんであることがわかります。
お母さんは「ひろこ」でお父さんは「福之国」。この「福之国」は宮崎でもエース級の種牛で、昨年の宮崎口蹄疫で特別に避難して生き残った5頭の種牛の1頭。

さらに詳しく母と父だけでなく祖父母や曾祖父まで記載があり、まさに血統書。
人間の指紋に相当する鼻紋まで押印されていますね。

なぜここまで詳細に記録を取っているのか。豚や鶏には値札に個体識別番号なんて記載がないではないか。
そう思うことでしょう。

実はBSE、いわゆる狂牛病のための制度。
BSEは人間に感染すれば脳がスカスカになってしまう。その上、肉骨粉を食べた牛が危ない。万一BSEの牛が見つかった場合、その子牛や関連する牛を処分しなければならない。流通している牛の安全の確保。

そういう諸々の事態が発生しないように管理はされているが万一BSEが発見されたり疑われた場合、どこまでが安全なのかということがわからないと消費者も生産者も疑心暗鬼になってしまう。

アメリカのようにトレーサビリティがしっかりしていないと、輸出もむずかしくなる。生後20ヶ月以下の牛は輸入できるが本当に20ヶ月以下なのか。出生証明書はあるのか、など記録が不十分なためにいろいろ制約がある。

その点、日本やEUはトレーサビリティを確立して安全を確保しているわけだ。

ところで「ゆい」ちゃんはおいしかったとのことであった。

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