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生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る 

生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る (幻冬舎新書)
生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る (幻冬舎新書)高井 研

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海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究員で微生物学者である著者が、生物の起源を求めて深海へ、地殻内の熱水鉱床へ、そして想いは宇宙へと“海”の広さと生命誕生の奥深さを感じさせてくれた本だ。

しかしもっとも印象深く感じたところは“あとがき”である。

著者に言わせると今は「空前の理科ブーム到来、キター」だそうである。
今、世間がいう「理科離れ」とは、進学や就職での理系分野への志望が減少しているのであって「理科(自然科学)への興味、関心が失われている」わけではないと述べている。

著者自身、研究者として「科学の価値は唯一科学論文のみで評価されるべき」と考えていた。ではなぜ一般向けの本を書くようになったか。

「この生命に溢れる稀有な地球において、どのように生命が誕生し、その存在、繁栄、進化の基盤を作り上げたのか?」に挑む、研究者の生き様やその研究の衝撃や興奮、躍動感を、その渦中にいる現役研究者として伝えたいと思ったから
だそうである。

本書は中盤から少し難しくなるが、わからなければさっと流すだけでもいいだろう。

第1章では深海への旅。深海は暗黒ではあるが生物が溢れる世界だったことが、著者自らが乗り込んだ深海探査艇“しんかい6500”を通して知ることができる。いや著者の目を通して“しんかい6500”での臨場感が伝わって疑似体験になるかも知れない。

第2章からは深海から地底へ、そして宇宙へと話は膨らむ。地球誕生以後の生命らしきものが生まれ、それらがどのように生命圏を広げていったか。そもそも生命とは何か、仮説も交えながら壮大に書き綴っている。

著者は微生物学者ではあるが自称“宇宙生物学者”というだけのことはある。

読み進めるにつれひとつのことに気付かされた。
微生物の研究のためにどれほどの知識が必要なのかと。

地質、岩石、化学、生物、天文学、プレートテクトニクスなど本書ではこれくらいのことをベースに書かれている。実際の研究活動ではさらに多くの知識と実験のための知識やノウハウもあるだろう。そしてその地味と思われる研究の合間に世界で自分だけが最初に見つけた発見の興奮や想像をはるかに超えた研究対象への衝撃。

読む続ける文章の行間に溢れる躍動感が非常に楽しかった。

恐らく多くの人、特に大人が理科への関心を示すのは、この“発見”や“想像とは違う衝撃”、実際に体験する臨場感を求めているのではないだろうか。裏を返せば日常の刺激が少ないということだろうか。

子供も科学が好きだろうが、常に身の回りで起こること見たこと聞いたことは新鮮なので、科学だけにはこだわっていないのだと思う。

これを読んで、自分は書籍やインターネットだけでなく現場に近づきたい。
そう思えるようになった。そう現場の臨場感を感じること。そしてそこで何かを見つけること。

そう思わせてくれた本でした。


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