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駅物語 

駅物語駅物語
朱野 帰子

講談社 2013-07-31
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新幹線の運転士だ。尖った顎をあげて車輌を愛おしそうに見つめている。
「さあ、行くよ」と語りかけているようだ。彼女が見つめているのは…

読み進める行間にありありと浮かぶその光景。頭のなかでは白い制服を着て新幹線の横で凛と立つ女性運転士が、今まさに乗車して運転台に座ろうとしている。

久しぶりに頭の中のスクリーンに映像が浮かぶ小説に出会った。
上述の場面は一番好きな場面だ。

「駅物語」、東京駅を舞台に新人駅員が過去に関わりを持った人たちとの物語だ。一癖も二癖もある登場人物たち。そして実際にいるであろう我がままな利用客。日常の光景でありながら、日常の裏側をみるようなそんな気分にしてくれる。

登場人物のうち駅員は癖がある上にある意味攻撃的ですらある。しかしそうしないといけないくらいに弱さも併せ持っていることが読み進めるうちにわかる。主人公の新人駅員は無意識にそこを容赦なくついてしまうが、その主人公本人も実は強さで隠してはいるが弱さを秘めていた。その弱さが何なのか、一度読んだきりでは感じる事はできても、言葉にはまだできそうにない。

「我々が乗客に提供すべきものはただひとつ。いつもと変わらない一日だ」

これは助役の言葉だ。まさにそうかもしれない。世の中には普段、日常に隠れた人々が知らないうちにサポートしてくれている。その代表が鉄道員に違いない。

しかし作者はよく駅のこと駅員のことを調べていらっしゃる。
東京駅の柱の影でジッと見ていたのだろうか。

中央線で東京駅に向かう前方車窓の描写、主人公の気持ちとシンクロしているようで楽しかった。

最後に懐かしもの。「伝言板」、ありましたね、駅に。

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