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世界(1) 

一度はこんなことを考えたことがあるだろう。
自分が見ている世界は人が見ている世界と同じだろうかと。

目の前に広がる物質世界を“そのまま”自分が“見ている”と思っていたのだが、最近は年のせいか疑り深くなり(笑)、いろいろと本を読んでみて目の前に広がる物質世界は、感覚器官を通して脳が解釈した世界として<私>が見ているらしい。

つまり脳が解釈した世界が<私>の世界ってことらしい。

さて最初に戻ると、自分が見ている世界と他人が見ている世界は同じなのかってことだけれど、少なくとも色弱の人と“いわゆる普通の人”とは違う世界を見ていることになる。

男性の20人に1人、つまり男性の5%は赤緑色弱なのだそうだ。日本人の場合AB型が10%いるところからみれば、男性の5%は単純計算で女性も含めると2.5%とかなりの人数ということになる。

で、この赤緑色弱の人のみる世界は、赤と緑が“いわゆる普通の人”でいう“茶”に見えるらしい。

学校の黒板は、黒といいながら濃い緑。ここに先生が赤いチョークで「ここポイントです」って書かれても赤緑色弱の生徒にとっては“何も見えない(見にくい)”ことになる。もちろん赤緑色弱の人は決して少ない人数ではないので、ホームページを作る際もその点を考慮すべきですね。

サイエンスチャンネルの“色彩の思考回路”という動画の12分20秒あたりからの伊藤啓先生の話は興味深い。

“いわゆる普通の人”がきれいだという紅葉を赤緑色弱の人が見ると、茶色い枯葉のように見えるらしい。このためあまりきれいだと感じないらしい。美しさを感じるクオリアは“いわゆる普通の人”と同じみたいなので、あくまで色の感覚器官の違いってことみたい。

さて紅葉でもイチョウなどの黄葉は“いわゆる普通の人”と同じように黄色く見え、赤い紅葉と違って美しさを共感できる。でも新緑の緑も黄葉と同じように黄色く美しくみえるらしいので、ここで“いわゆる普通の人”と美しさを共感しても実は見ている世界は違ったりしている。

伊藤先生が語る夕暮れの話。“いわゆる普通の人”は三丁目の夕日よろしくオレンジ色の夕日がとても美しく感じるが、赤緑色弱の人はこの時点では美しく感じない。赤緑色弱の人にとっては夕日も沈み薄明のもと、深い青から暗くなる頃の“青”がとても美しく感じるらしい。

匝もこの“青”(赤緑色弱の人と同じかはわからない)もきれいだと思う。これはプルキンエ現象という、暗くなると波長の長い赤などの光が感じられなくなり青などの短い波長の光を強く感じる一種の目のしくみのせいなのでしょう。

ちなみに人間の目はRGB(錐体の名前だとLMS)の三原色でみていて、赤緑色弱の人はRかGが認識しにくい。まれにBが認識しにくい人がいるらしいがこちらはそれほど困らないらしいから、人間はRとGで主に世界を認識していると考えていいのかも。

ところで化学者ドルトンは赤緑色弱で(白人は日本人よりも赤緑色弱の人が多い)、兄弟でお金を貯めて母のために年相応の地味な靴下をプレゼントしたら「こんな派手な靴下は履けないわっ」って返されたそうな。
うぅ、かわいそう。

さて世の中はすごいもので、一部の女性は四原色で世界を見ている。“いわゆる普通の人”が赤、緑、青のRGBで世の中を見ているのだが、この女性達にとっては赤が2種類ある。つまりRR'GBかな。一種の“四色型色覚”というらしい。女性の美意識を男性が理解できないことがある理由のひとつかな(クオリアも違いそうだが)。この女性達にとってはRGBの液晶テレビなどの色再現性は悪く感じるのだと思う。

ここまでいろいろ書いてきたけれど、“いわゆる普通の人”の間も完全に同じってわけではなさそう。たとえば匝は600nm付近を敏感に感じる錐体を持っていても、となりの人は597nmくらいが敏感とかで赤の色合いも変わると思うし…。やはり世界は人によって違うんだと思う。


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