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風船爆弾の高度維持装置 

今日、喫茶店で朝日新聞を読んでいたら風船爆弾の記事が目に入った。

風船爆弾とは第二次大戦中、和紙とコンニャク糊でつくった風船に爆弾を吊るして上空へ放ち、ジェット気流に乗せてアメリカ本土で爆弾を投下するという当時の日本の秘密兵器。

しかし戦果というものはほとんどなく、アメリカにとっては恐怖と嫌がらせ以外の何物でもなかっただろう。恐怖とはまさか日本本土からアメリカまで飛んでくるとは考えなかったので、どうして飛来したのかわからなかった。さらに生物兵器など搭載されたら大変だってところだ。

日本は日本で戦果があるのかないのかわからず、そもそもアメリカまでたどりつけているかもわからないままだったので途中でやめてしまった。

そもそもアメリカはジェット気流の存在を知らず、なぜ日本から風船が飛来するのかわからなかったらしい。日本では大正15年に高層気象台の台長、大石和三郎氏によって発見されていた。

アメリカは戦時中は台風被害にもあっていて、台風の第四象限の危険性をまったく知らなかったために艦隊に損害が発生している。日本海軍は知っていて、これをうまく避けていたわけです。ま、戦況に影響はなかったのですが、日本の気象学も捨てたもんじゃなかったですな。

さて、その風船爆弾の高度維持装置が国立科学博物館に今月27日に寄贈されるというのが朝日の記事だった。

この高度維持装置のしくみが非常に気になる。記事によれば…
“気球を遠くまで確実に飛ばすには、途中で気温低下などで浮力が小さくなったとき、自動的におもりを落とし高度を保つしくみが欠かせない。装置は気圧計で気圧変化を検知し、歯車1個分ずつ回転板をまわすしくみ。高度が下がる(気圧が上がる)と電気スイッチが入り、高度が上がるまで砂のおもりを落とすようになっていたらしい。”(朝日新聞2007年12月25日)
とのことだ。

ジェット気流の高度を維持し、50~60時間を経て爆弾を投下しなければならない。その高度維持のために気圧計が絶対に必要だ。その気圧計は写真ではわかりづらいが“アネロイド気圧計”と思われる。ジェット気流の発見が気象台の人間だし、さらに気球をあげて気圧も測っていたので、その応用であろう。

アネロイド気圧計のしくみは、缶の中に板バネを入れて真空にする。すると大気圧で缶が押しつぶされそうになるが、バネの力でどうにか持ちこたえる。気圧が低くなれば板バネの力が増すので缶は膨らみ、気圧が高くなれば缶はつぶされていく。これをテコの原理で力を伝えることで気圧計の針が現在何気圧なのかを示すのだそうだ。

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この気圧計の針の変わりに電気接点に変えてやれば、高度が下がりすぎたらアネロイド気圧計の缶がつぶれ、その時にテコが働き、風船爆弾の高度維持装置の円盤を回転させることで電気接点(スイッチ)がつながりバラスト(砂袋)を投下させて風船を上昇させるという仕掛けなのだと考える。

そもそも浮力を得ている気体が水素で分子が小さいので紙と糊では少しずつ抜けてしまうでしょうからね。だんだんと降下していくのも想像できる。

ちなみにアメリカ軍も風船が紙でできていることはわかったが、糊が何でできているのかはわからなかったようだ。コンニャクってアメリカにもあるのか?


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