FC2ブログ

台風の気圧と風速 

書こう書こうと思いながら忘れていた、ちょっと季節外れな話題。

台風情報に接すると、台風の中心気圧とか最大風速などについての情報もある。
よく考えると不思議だ。だって海洋のどまんなかでどうやって気圧とか風速を観測するのだろうか。それも数時間おきに更新されるのだ。

実は気象衛星からの写真で判断している。もちろん気象衛星は高度約35,800kmの静止軌道上にあって当然ながら台風の気圧など測りようがない。そこで次のような項目を写真から読み取って推定している。

1)台風の発達過程のどの段階なのか(発達中か、衰弱中か)
2)台風中心の雲の形(眼の形など)→CF値(Central Feature)
3)台風の大きさと形→BF値(Banding Feature)

CF+BFからT値を算出し、気圧表と最大風速表の値を読んで推定する。
ちなみに衰弱中の場合はそのまま衛星写真からT値を求めると実際よりも弱い値となるので、T値に0.5~1.0を加算したCI値で気圧と最大風速表を読むことにしている。この方法をドボラック法という。

もっとも実際にはこんなに単純ではなく複雑なルールが存在するのだが、結局求められる気圧と風速は観測者の推定によるのだ。そういう意味ではいい加減かも。観測事実から演繹されたものでも帰納法によるものでもない、経験値なのだから。

実際は台風の中心に船や飛行機を向かわせて実測するのがいいのだが危険が伴う。逆に言うと危険を冒さなくてもいいくらいは妥当な推定ができているということなのだ。現在では気象ブイロボットが海洋に浮かんで気圧や波浪の測定をしていて、台風近くでも観測できることもし、近くを航行する民間船からの気象通報もある。気象庁としてはそれらの情報を総合して判断しているのだろう。

ちなみに気象衛星のない時代はどうしていたかというと、アメリカ軍は飛行機を台風眼に突入させ観測装置を投下する方法を、気象庁は海洋気象観測船による観測をしていた。戦後、老朽船での台風暴風圏内での観測従事者は命がけで観測し、中央気象台(現在の気象庁)へ報告するのは大変だったろう。

参考
台風と闘った観測船(成山堂書店)

デジタル台風:台風観測とドボラック法
http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/help/dvorak.html.ja


湘南お天気相談所:台風の中心気圧の決定
http://homepage1.nifty.com/tenki/weather/Dvorak.html


気象庁:漂流型海洋気象ブイロボットによる観測
http://www.data.kishou.go.jp/db/buoy/buoy-obs.pdf




スポンサーサイト



コメント

そうなんですか....

そうなんですね....。驚きでした。
ブイか何かだと思っていたんですが、推定だったんですね。
明らかに国の敵ですから、防衛庁管轄で手厚い待遇を...。
ウィンドプロファイラというのもあるようなので、まだいろいろできそうです。

夏になると気象庁の台風情報のほかに米軍の台風情報もネットで確認できますよ。知人は米軍の方が当てになるようなこといってましたが、予測の方法は同じで、経験とか予報期間が気象庁より長期に渡るなどのせいかもしれません。比較してみるのもおもしろいかな。

当然海上自衛隊にも気象観測しているはずです。そうでないと航海ができないですから。ただ予報業務は法律の壁があるため自衛隊はしないでしょうが、空港や気象庁などへの情報提供はしているんじゃないかな。

戦前の海軍は演習中に台風に突入する演習で損害がでましたが、この経験は戦争でいかされました。結局は負けましたけどね。

気象観測はなかなか大変です。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://eniguma.blog85.fc2.com/tb.php/632-e1cfd7ce