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コンロの立ち消え安全装置 

原子力電池では放射性元素の熱を利用して熱電対による発電をしていると昨日書いた。

原子力電池は身近ではないので、もっと身近なところで熱電対が使われているガスコンロで原理を調べてみる。

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多くの家庭用ガスコンロの炎の出るあたりにクレヨンの先っぽのようなものがでていると思う。これが立ち消え安全装置の“感熱棒”というものだ。ここが炎で熱せられている間はガスを通し続ける。煮こぼれなどで火が消えてしまうと感熱棒の温度が下がるため安全装置が働き、ガス漏れを防止するしかけだ。

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この感熱棒の中に熱電対というものが入っていて、熱せられている間は電気を発生させて電磁石を動かしている。コンロを使っていないときはバネの力でガスの弁を閉じているのだが、電気が流れると弁が電磁石に吸着してガス弁が開く。万一、炎が消えたり回路の線が切れても電気が通らなくなるのでバネの力で弁が閉じてガスは遮断される。単純な物理法則に則っているため確実性が高い。

ところで熱電対というのは何なのだろう?

普通の電線は同じ材質の線2本使われている。主に銅線が使われているのだが、熱電対は別々の材質でできているのだ。

金属は熱を伝えやすい。たとえば鉄の棒を手にとって片方をロウソクで熱すると段々とつかんでいる手の方も温かくなる。この時、熱だけでなく金属の中の電子も温度の低い方へ移動している。ただ棒とか線とかだと行き止まりになるので電流は発生しない。

じゃ、円にして途中を熱したらどうかというと、同じ材質だと電子の移動する数(電圧)も同じため結局は電流は発生しない。そこで片っ方を別の材質にしてみたらって考えた人がいたわけだ。

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片方の線は熱すると電子がたくさん移動する材質。片方の線は熱してもあまり電子が移動しない材質。この組み合わせで線同士の両端をくっつけ(溶接する)、その片方を熱すると、電子がたくさん移動する材質からわらわらと温度の低い方へ電子が移動していき、さらにあまり電子が移動しない材質の電子を押し返しつつ流れはじめる。そして熱している部分まで戻るとさらに温度の低い方へ…と、くるくる電子が移動するのだ。

電流は電子の流れと逆に流れ、結局のところ電気が発生していることになるんだな。

ちなみに電流(電圧)は熱せられる温度によって変わってくる。温度が高いほど電流は多く発生するので温度計にすることもできます。

参考:
理化工業:熱電対についての豆知識
http://www.rkcinst.co.jp/yougo/tc_a.htm


八光電機製作所:Q&A
http://www.hakko.co.jp/qa/qa_0_04.htm

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コメント

コンロの火が消える仕組みを調べていたらここへたどり着いたのですが、
凄く分かりやすかったです。
感動しました。

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