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ガソリンと温暖化 

昨日、高氏とバスに乗った際、高氏がバスのアイドリングストップの効果について疑問を口にした。たまたま仕事でアイドリングストップに関してガソリンの二酸化炭素排出量の計算をしたので、ここに書いておきたい。

ガソリン1Lが燃焼したときの二酸化炭素排出量は、省エネルギーセンターのサイトで、Q&Aの中「Q5. ガソリン1Lを使用すると、二酸化炭素はどのくらい発生しますか」に記載されていて、これを基にしていく。

まずガソリンの比重は0.73~0.76とされ、簡単のため0.75とする。

“比重”がわからない小学生(がみているとは思えないが)のために“比重”を説明すると、一般に“水”と同じ量の重さを比べてどれくらい重いか軽いかの割りあいを示したものだ。

たとえば1Lの水とガソリンを比べるとガソリンは750gで水は1000gとガソリンは水の75%の重さしかない。つまりガソリンは水より軽いのだ。

ガソリンの成分は炭化水素がメインなので、簡単のためすべて炭化水素でできていると考えます。但しガソリンは炭化水素でもオクタンという種類のもので、省エネルギーセンターが単純な炭化水素を考えていますが、ここではオクタンで考えましょう。

省エネルギーセンターが計算で使った炭化水素の分子式→ CH2

炭化水素オクタンの分子式→ C8H18

これも小学生がわかるように説明すると、この式でガソリンは何でできているのかな?っていうことがわかるのだ。成分とその割り合いを意味している。
“C”は炭素。つまり炭であり二酸化炭素の成分のひとつ。
“H”は水素。
そして意味するところはガソリン(オクタン)は、炭素8個と水素18個でできたものということだ。

ではガソリン1Lの中に炭素はどれくらい含まれているのだろう?
とりあえず比重からガソリン1Lは750gということはわかった。成分の割り合いも炭素8と水素18だということもわかった。炭素の重さがわかればよさそうだが…

ここで炭素と水素の重さを知る必要がある。

炭素ひとつの重さを12とすると水素ひとつは1とされる。そしてこれは原子番号原子量に等しい。そして炭素を1モル集めると12gであり、水素1モル集めると1gとなる。

“モル”って何ですか?って小学生にいわれると説明に困るのだが、炭素12gに含まれる原子の数は
602,214,150,000,000,000,000,000個くらいで、この数がまた大きすぎるので“mol(モル)”という単位にしたのだ。こうすると何かと便利になってくる。炭素12gと水素1gは同じ数の原子の数なのだ。
厳密には同位体というものがあって重さはそう単純にはわからない。

さて、炭素と水素は同じ数だと重さは炭素12に対して水素が1といえる。ガソリン(オクタン)は炭素8個と水素18個でできているので重さにすると

炭素96(12x8)と水素18(1x8)となる。

合計は114だから、114gのガソリン(オクタン)には96gの炭素と18gの水素が含まれていることになる。つまりガソリン(オクタン)の重さの約84.21%が炭素ということだ。

750gのガソリン(オクタン)にはどれくらいの炭素が含まれているかを計算すると

750x96/114=631.579[g]
または
750x84.21[%]=631.575[g]

となる。これからは631.58[g]で計算をしよう。

さてガソリン(オクタン)1Lが燃えると631.58gの炭素が二酸化炭素に変わる。
二酸化炭素の分子式は“CO2”というのは有名だよね。CO2を削減しましょうとかいわれているし。
二酸化炭素の“C”は炭素だ。“O”は酸素の意味。ガソリンが燃えるとガソリンに含まれる炭素が空気中の酸素と結びつく。そしてCO2から二酸化炭素は炭素1個と酸素2個でできていることがわかる。酸素を1モル集めると16gになる。これは炭素12gに含まれる原子の数と同じ。だから1モルの二酸化炭素は炭素12gと酸素32gでできていることになる。合計すると44gだ。

よってガソリン1Lの炭素は631.58gだから燃えると発生する二酸化炭素の重さは

631.58/12x44=2315.79[g]

ということになる。
しかしいろんな燃料をこんなめんどうくさいことで二酸化炭素排出量の計算などしてられない。法律ではあらかじめCO2排出係数というのを決めて計算する。法律によればガソリンは

2.32(kg-CO2/L)→1Lあたりの温暖化ガス二酸化炭素換算の重量の意味

という単位になるのだ。だいたいあっていたでしょ。
これも厳密には、使った量x単位発熱量xCO2排出係数という計算式が使われるのだが…。
気になったら調べてくれ。

ところで自動車による我が国のガソリン年間消費量は平成17年で、44,675,400kL。
二酸化炭素排出量にすると10,364万トン。

ちなみに京都議定書で約束した日本の温暖化ガス削減量(二酸化炭素換算)は、1990年の排出量12億6,100万トンを基準にして2008~2012年の間に6%を削減する目標となった。

削減する6%は二酸化炭素換算で7,566万トン。ガソリン自動車をやめちゃえばクリア…っていうわけにもいかないな。ただガソリン消費量の6%削減で600万トンだからそれでも大きい。
でも、ガソリンは自動車以外に使い道があまりないので、余っちゃうんじゃないかぁ?

それにしても環境省の温室効果ガス排出量を読むと東電の原発停止を火力発電で補ったのか、排出量が3%も増えている…。温暖化対策で原発推進をするわけだ。

むむむむ、であります。

参 考

陸運統計要覧:自動車燃料消費量の推移
http://toukei.mlit.go.jp/16/handbook/089youran.4-15hyou.pdf

環境省:2006年度の温室効果ガス排出量速報値<概要>
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=10412&hou_id=9002

※計算が間違っているかも。何事も鵜呑みにしてはならないし、これを参考にして恥をかいたり、損害がでても責任はとれません。


2008-10-22 訂正 原子番号→原子量
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