FC2ブログ

建物の上と下の揺れ方 

建物の上と下ではどれだけ揺れが違うのだろう。

ここでは兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の時の記録をみてみたい。
記録された場所はNTT神戸駅前局で、公開されている地下3階と地上8階の加速度データから変位量、つまり強震計(建物)がどれだけ移動(揺れたか)したかをグラフ化してみた。
NTT神戸駅前局の住所は神戸市中央区相生町1-3-2(google Maps)で、今なおしっかりと建っているようです。

公開データは“兵庫県南部地震(1995.1.17)NTT神戸駅前ビル強震計記録”にあります。
データ処理で使用したバンドパスフィルターの値は、公開データのページにある0.1~30.0Hzを入力した。

NTT+8.jpg  NTT-8.jpg


さて縦揺れは最初の1波は地下3階が6cmほど上がったが、8階では14cmも上がっている。この差は建物が伸びたということになるのだろうか。その後の上下動は地下も8階もそれほど変わらなくなる。

南北方向(グラフ+側が北)では第1波は同じものの、その後8階では53cmほど北に揺れ、わずか0.7秒くらいで約80cmも南へ大きく揺り戻されている。公開データのページにある方向変位図をみると同時に西にも大きく揺れていて、これが北西に向けての大きな揺さぶりだったことがわかる。

実は建物は北西から南東に長い建物で、普通に考えれば薄い方に揺れると思うのだがなぜだろう?

ntt.jpg

蔵書などいろいろ読んでみる。はっきりとはわからない(理解していない)が、兵庫県南部地震では南西から北東に続く断層と直交する方向、特に北西の方向への大きな揺さぶりがあった。これは横波のS波だそうだ。

このことから例の高速道路が何故に横倒しになったか理解できた。高速道路は海岸に沿って南西から大阪のある北東へと伸びている。ここで北西の大きな揺れがあるということは、高速道路の真横から力が加わったことになるのではないか。つまり、船で言えば真横からの大きな横波のため転覆した…そういうことだったのだろう(強度不足や構造上の問題はあったにせよ)。

話を戻して、S波到来後NTTのある断層の海側ではズレ方向の南西へ動き出したらしい。そのようなことらしいが、よくはわからないな。

ところで地下3階と8階の東西方向(グラフ+側が東)と南北方向を見比べると8階の方が揺れている回数が多い気がする。特に5秒以降の8階の変位量が大きいのと波の数が少し多いのは地面の揺れではなく、建物自体の揺れなのではなかろうかと推測する。

こう見比べると建物の高層と低層ではやはり揺れが違うのかと改めて感じた。

ただ注意すべき点があって、地震の揺れの周期によって人の地震の感じ方と建物の揺れ方が違うらしいこと。
人は小刻みな揺れに恐怖を感じ(立っていられない)、高層の建物はゆっくりとした大きな揺れで倒壊する。逆にいえば人はゆっくりとした大きな揺れではどうにか立つことができ、小刻みな揺れでは建物自体は倒壊することがない、ということらしい。

この辺はまた改めて書くことにしたい。


謝辞
加速度データは、NTT建築総合研究所“兵庫県南部地震(1995.1.17)NTT神戸駅前ビル強震計記録”を使用しました。
http://www.ntt-bti.co.jp/quake/
データ処理には、立命館大学理工学部都市システム工学科 伊津野 和行先生のフリーソフト“加速度波形の周波数領域での積分 integral.lzh”を使用しました。
http://www.ritsumei.ac.jp/se/rv/izuno/soft.html

参考文献
阪神・淡路大震災と地震の予測/深尾良夫・石橋克彦編(岩波書店)
P32 “震災の帯”をもたらした強震動(入倉孝次郎)
P39 兵庫県南部地震の震源断層(菊地正幸)

スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://eniguma.blog85.fc2.com/tb.php/80-768f92b7