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空飛ぶ寄生虫 

空飛ぶ寄生虫
空飛ぶ寄生虫藤田 紘一郎

講談社 2000-01
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回虫先生こと藤田紘一郎先生の“笑うカイチュウ”に続く第2弾。すっかり先生のトリコになってしまい、続編も買ってしまいました。表紙のイラストも“笑うカイチュウ”と同じ野村俊夫さん。前作のおしりから虫さんがニッコリから、空を楽しげに飛ぶ虫さんになっています。

タイトルの“空飛ぶ”というのは媒介する昆虫や寄生虫自体というよりも、海外旅行などで国内へ運び込まれるという意味合いが強いように感じた。

この本は1996年に出版された。当時、世界の感染者数8億人、年間死亡者150万人に達する病気がマラリアなのだそうだ。しかし日本ではマラリアを診断できる医師が少なく、また予防や治療に対する情報や体制が不十分であるらしい。

もっとも10年経過した現在においても同様の状況なのかはわからないが劇的にマラリアが減少したことはないだろう。また海外旅行のブームが続いているし、渡航先も秘境などへ行く人も増えているのではないだろうか。その人たちがマラリアのような現地の風土病などを持ち帰ってしまうことも多いだろう。それらの診断や治療が国内でできる医師がいるのだろうか。

前作に続き日本の行き過ぎた清潔観に対する批判も書かれている。例としてミネラルウォーターをあげていたが、日本のミネラルウォーターは殺菌されているが外国のものは殺菌されていない。自然に湧き出た水が“ミネラルウォーター”であり、殺菌処理など手を加えたものは“ミネラルウォーター”ではないというのだ。至言は「…飲料水に細菌が入っていたといって、大騒ぎしていることがまったくわからないのです。だって、口のなかにも、腸のなかにも、細菌はいっぱいいます。空気中にもたくさんいるのです。細菌を含んだ飲料水を飲んだらいけないというのなら、日本のみなさんは『呼吸をしてはいけない』ということになるのではないでしょうか」というコメントをした“ペリエ”の研究所長の言葉だろう。

先生は続ける。寄生虫も住めないほど清潔にしたために逆に人間の病気に対する耐性が弱くなっているという。また寄生虫や細菌などは人間などを傷つけるだけでなく共生を模索してお互いの進化を促進してきたという。

何事にも寛容さが大切なのかもしれない。海外旅行だけでなく、災害などで不衛生な状態になっても平気に生きていけるような身体を作るには、外見に囚われず寄生虫たちともうまくやっていくことが必要なのだろう。役に立たない、むしろ害になると思っていたものが、実は大切なモノであったという事例が、寄生虫と人間の関係なんだと読み進めていくうちに理解していった。

もっとも内容は実例を挙げて、おもしろく、時にシリアスに書かれているので、前作同様に読みやすいと思う。むしろ親父ギャグの度合いが強くなっている感もあるが…

文中、B型は結核にかかりやすいのだと…トホホ。

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